【内なる自分を表す】313 京ことば源氏物語 S2-6「末摘花」後編 | 望む未来をご案内~花らっきょうのブログ

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【内なる自分を表す】313 京ことば源氏物語 S2-6「末摘花」後編

必死に恋を生きようとしている源氏が
可愛いと思えるようになりました(笑)
(「京ことば源氏物語」語り手・山下智子さん談、要旨)

===

今回もお読みいただきありがとうございます。

◆「今日はようこそお越しやしておくれやした」

「#もののあはれ 」の源流をたどる旅は、
読み手・山下智子さんのこの挨拶で始まります。

それが、「#京ことば源氏物語 」。
2巡目の第6回目「#末摘花 」の続きです。

※前半はこちら↓
 

◇公演を開催した日曜日(6/23)は、
雨が降ったり止んだり。

「私、雨やました智子と言われております、
晴れ女なんで」(場内爆笑)

と、智子さんも気合十分でした(笑)
 

さて、前回書いたあらすじをまとめると・・・
(これまで)

◇桐壺帝の皇子「光る君」は幼くして母と死別、
源氏を名乗り葵の上と結婚します。

雨夜の品定めをきっかけに君は女性に目覚め、
空蝉、夕顔と、中流階級の女達に恋をします。

18歳になった君は藤壺女御の姪・若紫を見初め、
他方で藤壺と密通の末に懐妊させるのです。

(末摘花)

◆亡き常陸宮の姫が琴(きん)と共に生きている、
噂を聞いた源氏は姫の許を訪ねます。

ところが姫は男のあしらい方も心得ない様子、
君は不安を抱きつつも逢瀬を果たします。

後日、君は姫の零落した生活を目撃して、
生涯彼女を世話しようと決意します。

それでも姫の紅い鼻に始まる醜女ぶりに、
君は愕然としてしまうのでした。
 

さあて、

◆今回の茶話会、話題はやはり末摘花の描写。
(以下、 “ ”は智子さんのコメント  )

1)先ず、末摘花の容貌。
これは外されへんでしょう

そもそも、←智子さん曰く
人の容姿の描写は源氏物語には殆ど有りません。

美男美女は特にそうで、

「あなたの一番美しい人を想像して下さい」
こない言わんばかりに簡単に終わっています。

そこ行くと末摘花の容貌は・・・

※二度も書く気にならんので前半をご覧下さい(笑)

まあ、

末摘花の長い鼻は大陸の鉤鼻を思わせる、
混血説も有り得んとは言い切れへん。
否定説も有るけど
 
その一方で、
彼女の立居振舞いは至って上品なのです。
“膝でいざってする~する~~って
寄って来はります”
“大河ドラマみたいにダガダガダガダガーッと
走って座ったりしまへん(笑)”

“繁栄のためには醜女と言うものが
必要やったんやなあ”
智子さんは岩長姫も引き合いに出して
こない言及しています。
 

2)次に話題になったのが、教育。

末摘花の男への接し方が無粋なのは、
“教育に原因がある。”

智子さんはそのように考えてるそうで。

平安女子の幸せは「ええ婿はん」次第。
だからこそ良妻教育を施さなあかん。

その教育こそ、女房の務め。
彼女達こそ姫達の運命のキーパーソンなのです。

ところが末摘花は言うと、
男が訪ねても和歌の一つも返されへん、

手紙と言えば上下きっちり揃えて書いて
“写経かいな”思うのをよこしてくる。

黄橡(きつるばみ)とか鳥の子紙とかに
筆を滑らせて書くのが本来の恋文。
女房達は末摘花に教えへんかったやろな

ひょっとしたら亡き宮様も
娘を結婚させる気があらへんかったのでは?

とも思えるのです。

※比較されたのが冷泉帝の女三の宮。
この姫も無教養やったな(-_-;)
 

3)その次に挙がったのが、源氏の成長。

雨夜の品定め以来、
女の道にせっせと励んできた源氏。

“困難な恋ほど一生懸命にならはる(笑)”
それだけに欲求不満気味であったはず。

せやけど、

末摘花との出会いを通じて、
彼はこれまでを振り返ります。

確かにお顔はおへちゃやけれども、
末摘花は体裁を繕わない。

かつての人好き源氏も、
自分の心が貧しいと気付きます。

そして、末摘花を尊く思い始めます。

智子さん曰く、
“少しは源氏のことも察してあげました(笑)”
 

4)そして、読者に対する式部の態度。

最後の一文、覚えてますか?
<語り>
『こないな女子(おなご)さん達の行く末は
どうなったことでござりましたやろなあ。』
「一体どの口が言うてますのん?」
と、これには智子さんも苦笑い。

まあ、平安女房達も式部さんさながらに
笑ろてたに違いない。

ほんでも、読んだ後で女房達はこない思た筈。

「笑ろてええんやろか」Σ( ̄□ ̄lll)
式部さんのいけずなキャラ、
そんなんが見えて来そうでんな
 

◆次回は8月。

お題は、第7帖「紅葉賀(もみじのが)」。

2021年に智子さんがCDを制作しようと
クラウドファンディングを成功させた、

それがこの紅葉賀です。

同時に、
主要キャスト総出演回でもあります。

朱雀院への行幸、そして、
藤壺がいよいよ源氏の子を出産。

“華やかな中で笑えへん闇の物語”が
展開します((( ;゚Д゚)))

智子さんの思い出も詰まった紅葉賀、
どうぞお楽しみに☆

智子さん、今回も有難う御座いました(*‘∀‘)
 

#内なる自分 #花らっきょう #京ことば源氏物語 #源氏物語 #若紫 #紫の上 #女房語り #もののあはれ 

※写真は、「京ことば源氏物語」の会場にて、世田谷区、先月
1枚目:アトリエ第Q藝術の玄関先。チラシと共に。
2枚目:京ことば源氏物語のステージ。高山辰雄作の版画と共に。
3枚目:源氏物語「末摘花」の創作写本(宮川信子作)と蜻蛉玉(田上惠美子作)。
4枚目:アトリエに飾られた末摘花(紅花)。

===
【次回予告】
京ことば源氏物語「紅葉賀」

期日 2024年8月24日(土)・25日(日) 15時~
会場 アトリエ第Q藝術
(小田急線・成城学園前駅徒歩4分)
料金 前売3,500円、当日4,000円

※各回終演後に茶話会が開催されます。こちらもどうぞ。
※花らっきょうも来場予定。是非ご一緒に☆