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【内なる自分を表す】303 京ことば源氏物語 S2-5「若紫」後編
手の届かない困難な恋であればあるほど
源氏の君は力が入る。
(「京ことば源氏物語」語り手・山下智子さん談)
===
今回もお読みいただきありがとうございます。
◆「今日はようこそお越しやしておくれやした」
「#もののあはれ 」の源流をたどる旅は、
読み手・山下智子さんのこの挨拶で始まります。
それが、「#京ことば源氏物語 」。
2巡目の第5回目「#若紫 」の続きです。
※前半はこちら↓
amba.to/3QoPT84
それにしても、この度の #花らっきょう 、
紫ちゃんの声が聞けて萌え上がりました(≧∇≦)
↑
智子さん曰く“紫ちゃん・・・(^_^;)”
さて、前回書いたあらすじをまとめると・・・
(以下、『 』は中井和子訳の聞き書き)
↓
(これまで)
◇桐壺帝の皇子として生まれた「光る君」は、
幼くして母と死別、源氏を名乗り臣籍に下りました。
中流階級の女性に興味を持ち始めた源氏は、
他方で義母の藤壺女御を慕い続けていました。
(若紫)
◆源氏は病を得たために北野へ加持祈祷に訪れ、
とある僧房で藤壺によく似た少女を見初めます。
それもそのはず、少女は藤壺の姪であり、
源氏は母の亡い姫君を貰い受けたいと願います。
一方で源氏は宿下がりした藤壺を訪ね、
『夢のような逢瀬』の末に子を成してしまいます。
後に姫君の祖母・尼君の訃報を聞きつけた源氏は、
父宮に先駆けて姫君を強引に自邸へ迎えるのです。
◆今回、智子さんが重視したのが、
「かさね=襲ね」と言う手法。
1)先ず、色。
一色や、組み合わせで、
季節、立場、心情、個性を表して行くもの。
“言葉でわっと言うのではなく色に思いを託す“
(智子さん)
と言うわけです。
※今回は特に紫が注目されるところ、後述。
2)次に、天候。
前半のあらすじでは割愛しましたが、
「若紫」でも様々な天候が
物語の行方を暗示しました。
例えば、春霞。
源氏が僧房の垣根から姫君を覗き見る場面。
春霞のおかげでその向こうも一層美しく見える、
姫君の幼いながらの美貌が強調される訳ですね。
それから、嵐。
源氏が姫君を引き取ろうと再三申し出る場面。
嵐は、姫君の行く末そのもの。
彼女の人生が波乱万丈であることを暗示します。
3)そして、和歌。
今回は「若紫」だけに、紫の歌が度々登場します。
色として、そして草花としての紫です。
例えば、
↓
紫のひともとゆえに
武蔵野の草はみながらあはれとぞ見る
(古今和歌集より)
この歌を踏まえての一首が、
↓
手につみていつしかも見む
紫の根にかよひける野辺の若草
「紫」は藤壺であり、その根が通じるのは、
血縁者である「若草」即ち紫の上。
藤の花と同じ紫色を秘めた紫の若草、
それが紫の上。
その紫の上を手摘みしていつも見て居たい、
源氏がかくも願い、実現させる。
言わば紫の上は、
手に入ること叶わぬ藤壺の身代わり。
そして「若紫」は、
彼女の”形代としての人生の幕開け”。
・・・と言えるでしょうね。
まあ、それに加えて、
◆今回は、紫の上を覗いたり誘拐したり。
智子さん曰く“今やったら手が後ろに回る(笑)”
ほんでも、覗かれる言うのは当時はごく当たり前で、
“自分が覗かれているのをいつも覚悟しとかなあかん"
(智子さん)
女性達もそない思てたのかも知れませんね。
あ、せやせや、
◇ラストシーン・・・覚えてますか?
源氏と紫の上が雛遊びする言うところを。
二人で雛遊び、微笑ましい場面やけど、
智子さん曰く“生身の人間で雛遊び”・・・
“恐ろしい真相”が隠されてた言うことでんな
((( ;゚Д゚)))
さてさて、
◆次回は6月。
2巡目の第6回「末摘花(すえつむはな)」です。
没落貴族の娘・末摘花が登場します。
って、本編では予告の時から笑いが・・・
いや、今度はお笑い回と違ゃいますよ。
実を言うと、彼女については、
本編後の茶話会でも話題になってたんです。
“京都の風情を背負ってばら撒こうと”言う、
智子さんの奮闘ぶりをお楽しみに(笑)
智子さん、今回も有難う御座いました(*‘∀‘)
#内なる自分 #花らっきょう #京ことば源氏物語 #源氏物語 #若紫 #紫の上 #女房語り #もののあはれ
※写真は、「京ことば源氏物語」の会場にて、世田谷区、20日
1枚目:語り手・山下智子さんと。
2枚目:源氏物語「若紫」のとんぼ玉。田上惠美子作。
3枚目:源氏物語「若紫」の創作写本。宮川信子作。
4枚目:源氏物語「若菜」のリトグラフ。高山辰雄作。(※)
(※)「若菜」に登場する女三宮も源氏の妻にして藤壺の姪。
智子さん曰く“(源氏は)藤壺の姪と聞くとバキューン!てなるんですね(笑)”
===
【次回予告】
京ことば源氏物語「末摘花」
https://bit.ly/3OXCXoM
期日 2024年6月22日(土)・23日(日) 15時~
会場 アトリエ第Q藝術
(小田急線・成城学園前駅徒歩4分)
料金 前売3,500円、当日4,000円
※各回終演後に茶話会が開催されます。こちらもどうぞ。
※花らっきょうも来場予定。是非ご一緒に☆
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