妄想、BL(M×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。











《side  N》

僕は今まで誰かとお付き合いなんてしたことがなくて、付き合ってる人を部屋に上げるってそういうことだ、って気付いたのも潤くんに言われてからだった。

そっか、今までとは違うんだよね。
それがちょっと寂しくもあり、嬉しくもある。

友達から恋人になった今、早く恋人らしいことをしたい気もするし、まだ心の準備をしたい気もする。
潤くんはそんな僕の心境を見越してるかのように「今日は帰る」ってばいばいと手を振って帰ってった。

潤くんはきっと恋愛経験豊富で、すぐ先に進みたいと思うんだけど僕に合わせてくれたことがまた嬉しかった。

それから潤くんとのいろんな初めてを経験した。
初めてのデートは水族館。

少し薄暗い館内で水色の灯りに照らされた潤くんは横顔もしっかりかっこよくて、人魚姫が王子様を見た時こんな感じだったのかなぁなんて思った。
そんな潤くんを、他のお客さんもみんなほっぺたを染めながらちらちら見ていって、中には熱い視線を向けてくる女の子もいる。

潤くんは僕と付き合ってくれてるんだからね!って腕でも組んで見せつけたい気持ちもあるけど、僕なんかが隣にいておかしいって思われないだろうか、って気持ちもあって、つい少し離れて友達のような距離で歩いてしまう。

潤くんはそんな僕の手を取り、恋人繋ぎして歩いてくれた。
嬉しいけど、ちょっと恥ずかしい。


初めてのキスは僕の部屋。
2人並んでラグに座ってテレビを見てた時、ふっと会話が途切れたと思ったら「カズ・・・」って切ない声で呼ばれて。
潤くんの方を見たら端正な顔が近付いてきた。

睫毛ながー・・・。
目おっきい・・・。

どんどんアップになる潤くんの顔にぼーっと見惚れていたら「目瞑ってよ笑」と瞼に唇を落とされ、目を瞑らされてしまった。
それからほっぺた、鼻の頭にキスをされ、最後に唇に・・・。

ファーストキスはレモンの味とかよく言うけど、ドキドキして味なんか全然分からなかった。
ただ、潤くんの唇は柔らかくてすごく気持ち良かったことだけ印象に残ってる。


ファーストキスがレモン味とかって今はもう言わないんですかねー?
これって昭和?とか書いてて思いました。
今の若い子の事情が全く分かりません(^◇^;)