妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。









《side  N》

智さんは「中で説明するから」ってトランクからボストンバッグを取り出し、ドームの中に入っていく。

後ろからついて入ると、中はかなり広い空間でセミダブルのベッドが2つに、お風呂やトイレもあり、入り口と反対側の半分が全面窓で向こうを流れる川が見えてすごくいい景色。
天井も半分は透明だから空がよく見えた。

「ここ、日本一星が綺麗な村って言われてて、このドームは中から星が観察できます」

なるほど。それで天井が透明なんだ。
蚊を気にしなくていいし、夏でもこの辺は夜けっこう冷えたりするから気温気にしなくていいのも快適。

「すごいね!今の時期、何か有名な流星群が来たりするの?
てか言っといてくれたら俺も泊まる用意して来たのに」

てっきり見たい天体ショーか何かがあって、でも虫嫌いな俺のことを考えてドームにしたんだと思って・・・智さんのことだから泊まる用意のことまで思い浮かばなかったんじゃないかと思って・・・。
泊まりなら事前にそう言ってくれないと、って冗談ぽく文句の1つも言おうとしたら。

「いえ、この時期は特に珍しい星は見えません・・・」

ややバツが悪そうにしながらもごもご言う智さん。

「実は、和くんの誕生日にサプライズを、と思って・・・」

え・・・。
ちょっと・・・反則。

「なんか、言うタイミングを間違えました」

慣れないことして恥ずかしいのか少し顔を赤くして俯いてる智さんに抱きついた。

「ありがと!めちゃくちゃ嬉しい!
あ、でも急だから泊まる用意してないよ?」

「ええ、だから和くんの着替えとかは全部買ってきました。
明日の授業のノートとかも松本くんに頼んであります」

智さんがボストンバッグから洋服や下着を取り出す。
コンパクト派の智さんにしてはこんな大きな荷物珍しいなと思ってた。
まさか俺のも入ってたなんて。

知り合いのアパレル店員さんに俺の写真を見せて選んでもらった、って服はタンクトップとオーガンジーのカーディガンのようなの、ボトムはニッカボッカみたいな裾が広がってるパンツ。
甘さと辛さがちょうどいい感じで、自分では選ばないテイストだけど抵抗なく着れそう。
さすがアパレル店員さんだわ。

さらに部屋着までちゃんと用意してあるし、授業のことも俺のためにこんなにいろいろ準備してくれたなんて。

再び智さんに抱きついてその唇を奪った。

に・・・にのちゃんに呼び捨てで呼ばれた(*´Д`*)
こんなカレカノごっこが出来る日が来ようとは😭