妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。










《side  N》

休憩後、運転代ろうか?って聞いたけど智さんは「大丈夫」ってそのまま運転席に座った。
免許取ったばっかりだし運転したいのかな。
俺としては助手席からずーっと智さんのカッコいい顔を見てられるから嬉しいけど。

「そういえば行きたいところって?」

長野方面というだけで目的地をちゃんと聞いてなかった。
もう長野に入ってるけど何見たいんだろう。

「日本一綺麗な村があるそうなので、そこに」

「へぇー!日本の原風景的な感じかな?
楽しみ!」

智さんって星にしか興味ないと思ってたからちょっとびっくりした。
星っていうか自然が好きなのかも。

高速を下りてさらに山の方に向かい、ぐねぐねとした山道も危なげなく運転していく。
ほんとに免許取り立て?と感心してると、急に目の前が開けて透明なドームのような建物がいくつか建っている敷地が現れた。
ナビを見るとどうやらここが目的地のよう。

一番手前の、そこだけドーム状じゃなくて普通の建物の前に車を停めて、智さんについて中に入った。

「いらっしゃいませ」

「こんにちは。予約していた大野です」

「お待ちしておりました。リバーサイドドームですね。
夕食、朝食は何時になさいますか?」

「夕食は19時、朝食は8時にお願いします」

「承知いたしました。用意のため10分前くらいにお部屋に伺います。
ドームはこの建物の前の道をまっすぐ上がっていただいて3番目の十字路を右に曲がったところの6番となります」

智さんは受付の人といろいろやりとりしてるんだけど・・・え、ここ何?
夕飯と朝ごはんとかどういうこと?
会話の内容が全然分かんない。

「じゃあ行こうか」

受付の建物を出て再び車に乗り込む智さんについて俺も車に乗りながら機関銃のように疑問をぶつける。

「ここ何?
夕食と朝食ってまさか泊まるの?宿泊施設?
俺、財布とスマホしか持ってきてないけど。
てか明日学校あるじゃん」

智さんは、まだまだ喋る勢いの俺の唇に指を当て一旦黙らせた後「ついたらちゃんと説明するから」って再びエンジンをかけた。

俺たちに割り当てられた、というか智さんが予約したらしいドームには1分もすればその前の駐車スペースに着いてしまった。
確かに説明聞くには短いかも。