妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。










《side  N》

「智さんは何がいい?」

「ウーロン茶をもらいます」

ありがたくブラックのコーヒーをもらって、智さんにはウーロン茶のペットボトルの蓋を開けて手渡し、飲み終わったら受け取って蓋をしておく。

ちょっと小腹が空いたから袋からあられを取り出した。
智さんが受け取ろうとするのを制して「はい、あーん」と口元まで持っていくと顔を少し赤くしながら口を開けてくれた。

食べ終わったタイミングを見てまたあられを持っていくと今度はすぐにぱかっと口を開けてくれる。
なんか・・・親鳥になった気分。

無表情であられを放り込まれる智さんが可愛くて次々にあられを運んでしまう。
・・・と、ちょっとタイミングがずれて俺の指ごと智さんがぱくっと咥えてしまった。

「・・・あ」

久しぶりの智さんの唇の感触に一瞬動きが止まる。
すると智さんがふっと目元を緩ませて俺の指に舌を絡ませちゅっと吸い上げてきた。

「・・・っ!」

「ふふ笑
しょっぱいですね」

もー、なに、なんなの!
そんなことするキャラじゃなかったじゃん!

不意打ちに心臓がきゅんと音を立て、舐められた指も、顔も熱い。

「あ・・・しょ、しょっぱいから喉乾くよね!」

火照った顔を仰ぎながら飲みたいとも言われてないのに智さんにお茶のペットボトルを渡し、俺もぐっと缶コーヒーを飲み干した。


途中のかなり大きなサービスエリアに寄ると、フードコートも充実してるけど外にもいろんな出店が出ている。

「どうしよう・・・迷うね」

「そうですね。でもお昼にしてはちょっと遅くなってしまったので軽めに済ませましょうか」

確かに。
お昼に合わせて夕飯も遅くすると、夕飯食べてすぐ寝ることになっちゃうよな。
でも俺はそういうのあんま気にしないし、智さんもあんま気にしないタイプだと思ってたけど案外健康面とか気をつけてんのかな。

だいぶお腹は空いてたけどフードコートに入らず、外で豚串とかホットドッグなんかを買って並んで食べた。

俺も智さんも少食だからそれでもそこそこお腹は満たされるけど、せっかくの遠出だから夕飯はちょっといいの食べたいな。