妄想、BL(N×M+O×N)のお話です。
CPが複雑です。何でも大丈夫な方のみお進みください。
BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。











《side  N》

緊張しながら指定されたお店に行くと、松本さんはもう来てるようで奥の個室に案内された。

お店はめちゃくちゃおしゃれなレストランで、少し薄暗く、真ん中に大きな水槽があるせいでどの席に座っても他のお客さんの目が届かないようになっている。
さらに奥にはいくつか個室があり、扉がしっかりしてるから話の内容が外に聞こえる事も無さそう。

なんか俺、もうちょっとちゃんとした服で来れば良かったかな。
さすがによれよれのTシャツは辞めてシャツにズボンにしていたけど、スーツの方が良かったかも。

おしゃれなウェイターさんに案内されながら肩身が狭くて背中を丸めてしまう。
個室に入って松本さんもわりとラフな服装(といっても普通の人からしたらだいぶおしゃれだけど)なのを見てようやく息を吐いた。

あぁでもこれから話聞かなきゃなのか。
またちょっと背中が丸まる。

乾杯して「こないだのコンサートも成功でしたね」みたいな話を少しして。

「それで、お話というのは・・・?」

なんだろうと気にしながら飲むお酒は美味しくないし、早く話を聞いて内容によっては早く帰ろうと俺から恐る恐る切り出した。

「うん、あの・・・俺たちの関係のことなんだけど・・・」

やっぱり。終わりにしたいとかそういうことだよね?

「あ。S度が足りなかったですか?もしかしたらと思って俺、ちょっと研究してきたんですよ!
今度はもっとご満足いただけるんじゃないかと思うんですけど」

「いや、そうじゃなくて」

松本さんから終わりを切り出されるのが怖くて早口で喋る俺を遮り、ついに聞きたくなかった言葉が松本さんの口から発せられた。

「俺、好きな人が出来たから・・・もうこの関係は終わりにしよう」

あぁ・・・。ついに・・・。
元々Sってわけでもないし、俺と松本さんの間に恋愛感情があったわけでもない。
いつか終わる日が来るって分かってたけど。

「あ、クラスと基本給は減らさないよ。今のまま。
たくさん楽しませてもらったし、二宮くんのダンスの実力は買ってるし」

この世の終わりみたいな顔をしてたんだろう、松本さんが慌てて言い足してくれるけど。
違うんだよ。
俺はクラスとかお給料のことを心配してるんじゃなくて大野とのことを心配してるんだよ。