妄想、BL(N×M+O×N)のお話です。
CPが複雑です。何でも大丈夫な方のみお進みください。
BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。











《side  N》

ダンスアカデミーの講師になって3年ほどが経ち、試行錯誤しながらも教えることにも少し慣れてきた頃、松本さんに「内密の話がある」と呼び出された。

なんだろう。
やっぱり俺の実力じゃまだクラスは任せられないとか?
クラスは持てなくなったとしても、せめてコンサートの時の裏方に入らせてもらえないだろうか。

もっと実力のある人をスカウトしたから君はもういい、みたいな話だと思って、でも少しでも関われるように食い下がるぞ、と決意を固めて指定された時間に社長室のドアを叩いた。

⭐︎⭐︎

「・・・は?」

数十分前、おそらく悲壮な顔をして社長室に入った俺は、今、松本さんの言葉が理解出来ずに口をぽかんと開けて間抜けな顔を晒していた。

「えっと・・・え?
ちょっと意味が・・・」

「意味もなにも、俺とセフレになってくんない?って単純な話よ」

松本さんは最初こそ少し話しづらそうに天気の話とかしてたけど、やがて意を決して「お願いがあるんだけど・・・」と切り出してきた。

それはセッ クスをしてほしい、というものだった。
しかもソフトS Mで攻めてほしい、って・・・。
理解が追いつかなくても仕方ないよね?

「まさかセ ックスの経験ないとか?」

「いえ、そんなことは・・・」

「恋人がいる?」

「いえ、いないです」

「じゃあ問題ないじゃん」

「いえ、あの、俺ネコなので・・・」

そういう問題じゃないけど、混乱で頭の中はパルプンテ状態。
自分でも何言ってるかよく分かんない。

「入れるのは俺でいいよ。ただ、こう・・・女王様っぽく振る舞ってくれれば」

俺は大野に対してはなんとなく素直になれないところがあって、かなりキツい言い方をしてしまったり鋭いツッコミを入れることも多い。
もちろんそれはそんな俺を分かってくれて許してくれる大野への甘えもあるんだけど。

そんな俺を見かけた松本さんが「これだ!」と思ったらしい。
松本さんは実はMで、でも見た目からSだと思われることが多くて、今まで付き合った人もどちらかといえばM寄りだったからなかなか言い出せず、欲求が募るばかり。

俺なら程よい距離だし、卑怯とは分かっているけどアカデミーでの立場を利用して口止めもすることが出来る。

ってことで俺に白羽の矢が立ったらしい。