妄想、BL(A×N)のお話です。
BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。









《side  N》

映画館に着くまでずっと手を繋がれて、なんかほんとにいつもと違ってドキドキしてきちゃう。
本番ではウエストサイドストーリーを見る予定にしてたけど、2回同じの見るのも、ってことで今回は別の映画にして、2人とも気になってたゴジラの70周年記念作品がちょうどいい時間にあったからそれにする。

映画館でもまーくんはさっとポップコーンとドリンクを買ってきてくれて、暗いからって席までエスコートしてくれる。

デート、初めてなんだよね?
なんでこんな手慣れてるの?

ここでもちょっとモヤっとしたけど、いざ映画が始まると2人とも特撮が大好きでゴジラは初期のものからビデオをレンタルして見てたほどだからすぐに入り込んで夢中になった。
観終わってからも興奮が冷めず、2人で売店に行ってパンフレットやグッズなんかを購入し、その後はまた手を繋がれて調べておいたカフェに向かう。

デートにおすすめのスポットとして紹介されてただけあって、周りはカップルばっかり。
男同士で入ってるのは僕たちだけで、つい周りの目を気にしてしまう。

そしたらカップルの女の子達がみんな頬を染めてまーくんを見てることに気がついた。
まーくん、かっこいいもんな・・・。
こんなかっこいい人が僕の恋人(仮だけど)なんだぜ!ってちょっと優越感に浸る。

SNS映えするって紹介されてたパンケーキとパフェを頼んで写真を撮り、パンケーキを一口食べたところでまーくんが「そっちもちょっと頂戴」って言ってきた。
僕がお皿ごと渡そうとすると、「はい」って口を開けてくる。

え、あーんしろってこと?
確かに今は仮とはいえ恋人同士だけど・・・それはさすがに恥ずかしい。
でもじっと僕を見ながら口を開けて待ってるまーくんに負けて、緊張で震える手でパンケーキをあーんした。

「ん、うまー!
こっちもあげるね」

今度はまーくんがパフェをスプーンで掬って差し出してきた。
あーんするのも恥ずかしいけど、されるのはもっと恥ずかしい。

「いや、僕は自分で食べるから・・・」

「いいから口開けて!ほら、クリーム垂れちゃう」

断ろうとしたのに謎に強いまーくんの圧に負けて口を開けた。