妄想、BL(A×N)のお話です。
BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。










《side  A》

小学校3年の時。
授業中に「将来の夢」を発表するシーンがあった。

「じゃあ次、相葉くん」

「はい!俺の夢はかずくんと結婚することです!」

みんなが“消防士”とか“お花やさん”とか言っていく中、俺は自信満々でそう発表した。
なんならみんな結婚を知らないと思ってて、説明してあげようとまで思ってた。

そしたら、クラスで1番おませな梨花ちゃんが
「相葉くん、知らないの?
結婚って男同士じゃ出来ないのよ?
かず“くん”って男の子でしょ?」
ってちょっと小馬鹿にしたように言ってきた。

「え、そうなの?!
先生、ほんとにそうなんですか?」

「そうね・・・法律上は出来ないわね」

法律上・・・?
先生の言葉だけじゃよく分からなくて、帰ってからお母さんにも聞いてみた。

「ねぇ、俺、かずくんとは結婚出来ないの?法律上ってどういうこと?」

「説明が難しいけど・・・今の日本では、男の子同士の結婚は国がダメって言ってるのよ」

「えー・・・なんでだろー」

「なんでだろうね。
でもね、男の子同士でも男の子と女の子でも、結婚するのは特別な好きなのよ。
雅紀の「好き」は特別かな?」

「俺、かずくんのこと特別好きだよ?」

「うーん・・・それ、お母さんに対しての「好き」と違う?」

そう聞かれて考えてみる。
好きに種類があるなんて、しかも結婚できる好きと結婚できない好きがあるなんて知らなかった。
お母さんへの好きと、かずくんへの好き。
違うかもしれないけど同じような気もする。

「・・・分かんない」

「それなら、どんな好きが分かってから結婚を考えてみたら?」

「・・・うん」

好きって、結婚って、難しいんだな。
そのことはかずくんにもきちんと説明して、かずくんもあんまり分かってないようだったけどとにかく俺たちはもう結婚って言葉は口にしなくなった。
毎日一緒にはいたけどね。