妄想、BL(S×N)のお話です。
BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。

※暴力的(虐待)な描写があります。苦手な方、お気をつけください。







《side  S》

俺の親はサイテーな奴らだった。

物心がついた頃には母親しかいなかったし、父親についても教えてもらえなかったから分かんない。
母親は夕方になると派手な化粧をして露出の高い服に着替え、カップラーメンを1つ置いて出て行く。

帰ってくるのは朝方で、昼間はずっと寝てるから俺はいつも1人で遊んでた。
起こそうもんなら「うるさい」「自分でやれ」って怒られるから。
その頃の俺には母親が全てで、とにかく母親に嫌われないように必死だった。

そのうち夜に男と一緒に帰ってくるようになって。
それでも1人で遊んでる分には怒られないから、俺は母親と男が家にいてもずっと1人。

はじめは上手くいってたみたいだけどだんだん母親と男が口論をするようになり、たまに男が母親に手を上げるようになってきた。
その頃から母親の機嫌はいつも最悪で、今までは1人で着替えをしたり1人で片付けをしてたら怒られなかったのに、ちょっとでももたついたりミスをすると怒鳴られるし、「お前さえいなければ」って言われるようになった。

ある日、母親と男の怒鳴り合いを聞いていたくなくて、終わるまでベランダに出て空を見ていたら急に静かになった。
終わったのかと部屋を見ると男が手招きしている。

言われるままに部屋に戻ると、Tシャツの裾を捲られ脇腹にタバコの火を押し付けられた。
一瞬何が起きたのか分からずぼーっとし、すぐ襲ってきた痛みに泣き叫んだ。

「ちょっと、あんた!こんな跡誰かに見られたら虐待って通報されるじゃないの!」

「うるせーな。じゃあ別の跡で隠せばいいだろ」

お母さん、痛いよ。お母さん・・・。
泣いて言葉にならない言葉を発しながら助けを求めて母親に手を伸ばすと、母親は
「泣かないの。いい子でしょ?痛くないでしょ?」
って俺の顔を見ながら言った。

そうだ。泣いたらダメだ。
前に転んでケガした時、「手間と金かけさせんなよ」って怒られたんだ。
痛いって言っちゃいけない。
いい子にしてお母さんに好きでいてもらわなきゃ。

「うん・・痛くない」

涙を一生懸命我慢して、大丈夫、って言ったら。

「じゃあこれも痛くないよね」

ってお母さんが電気ポットを持ち上げた。
そこから熱湯が体に注がれるのがスローモーションで見えて・・・あまりの熱さ、痛さに俺は意識を失った。