お先にこちらから✨



妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。








《side  O》

やや緊張しながら実家に向かう。

あの後、二宮くんを会社に戻すためにも早めに親父ときちんと話をして継ぎたいと思っていることを伝えようと思って、すぐに電話をした。

「あ、久しぶり。・・・あの・・さ・・話したいことがあんだけど・・」

「珍しいな、お前から電話なんて。
明日の夜なら空いてるから帰ってくるか?」

「うん・・よろしく」

俺はなんかすげー緊張してたんだけど、親父はいつも通りでちょっと拍子抜けした。
でも面と向かって話すのもまた緊張する。

はじめは翔くんにも一緒に来てもらおうかと思ったけど、こういうことはちゃんと1対1で話さないとダメだよな、と己に喝を入れた。

「え・・・」

久しぶりに帰った実家は俺がいた時の4分の1くらいの広さになっていた。
「ただいま」と玄関を入るとすぐにお袋が迎えてくれるけど、家の中もがらんとしていてお手伝いさんもいない。

「どうしたの、家」

「あのね・・智もあそこで働いてるなら気付いてるだろうけど、お父さんの会社、今あんまり上手くいってないのよ。
だから家を小さくリフォームして土地を売ったの」

なんだよ、それ・・・。
俺にも言ってくれたら俺だってあんなタワマンじゃなくてもっと安いとこに引っ越したのに。

「お父さんが智には不自由をさせたくないって・・」

・・・なんだよ。
結局俺はずっと子供だった。まじ、めちゃくちゃかっこ悪りぃ。
ぜってー1人前の社長になって今度は親父にでっかい家買ってやる。

さっきまでの緊張はどっかに吹っ飛び、ずんずんリビングに向かって「親父!」と決意表明の声を張り上げた。

会社を継ぐこと、まずは人事整理をして、業績を上げる案も1つあることなんかを話すと、親父は目に涙を浮かべながら喜んでくれて、早速来月頭に次期社長就任挨拶の段取りを組むことになった。

二宮くんがいろいろ情報を集めてくれて、それを元に辞めさせる人、戻す人、どこの部署に配属するかなどを決めて親父に託す。
これで俺が正式に社長に就任した時にはメンバー的にはいい会社になっているはずだ。

ちなみに二宮くんは、「ちょっと考えてる案があるんです」ってことで企画部を希望したからそこに戻ってもらうことにした。

その際、翔くんに「実は・・・」って二宮くんとのことを打ち明けたら「ええぇー!その外見でよく好きになってもらえたね!」ってめちゃくちゃびっくりしてた。

「恋愛に興味ない人」って条件が結局外れてたわけだけど、おかげで俺が働く気になったし全然構わない、ってむしろ喜んでくれた。


次はけいなちゃんち💛6:17です😊