妄想、BL(O×N)のお話です。BLの意味が分かる方、妄想とご理解いただける方のみお進みください。








《side  O》

「なんか今日は暇だな・・・」

ソファーに寝そべりながらぼそっと呟いた。
背もたれの向こうにある窓からは雲一つない青空が見える。
こんな日は海にでも行って釣り糸を垂らしながらボーッとしたい。

「いや、仕事ありますからね」

「でもそれニノに向いてるやつじゃん」

窓越しの日光がぽかぽかと心地よくてついうとうとしかけたけど、すかさずびしっと松潤の厳しい声が飛んできた。

ここはSK探偵事務所。
元々は俺と、ひょんなことで知り合った二宮 和也、通称ニノと2人で開いた事務所だけど、場所がボロいビルの一角(予算的にそこしか借りれなかった)だからなのか、チラシ配ってもなかなかお客さんが来てくれなかった。

そこに救世主のように現れた、和の昔からの友人という松潤。
しょっちゅうチラシを配ったりしてくれてるし、HPもおしゃれに見やすくしてくれてるし、なによりイケメンでコミュ力が高いからお客さんの受けがいい。

前はビルを見ただけで引き返していたお客さんがHPを見て事務所に入ってきてくれるようになり、さらに松潤が応対すると不安そうな顔が一変。
ぽーっとした表情になってサクサク仕事が決まる。

おかげで依頼はひっきりなしなんだけど・・・探偵事務所に来る依頼ってのはほとんどが浮気調査とか迷い猫探し。

俺はこの浮気調査が苦手だ。
推理力とか細かい人間観察力とかが必要なんだけどどうにもそれが難しい。

それに対してニノは洞察力が優れていて、夜釣りに行くって言って不倫してた旦那の嘘を「帽子被ってるのに髪の毛が潰れてない」って見破ったり、尾行も全然バレずに出来たり、とにかく浮気調査に関して右に出る者はいないと思う。

代わりに俺は迷い猫とか人探しとか信用調査なんかをしてる。
んだけど・・・たまたま今日は浮気調査ばっかり。

俺に出来る仕事も来るかも、と思って事務所にはいるけど、依頼が来るまでは暇なんだよな、ってソファでごろごろしてたら松潤から冷ややかな目で見られてしまった。