いつから敗戦日本は復興を迎えたのでしょうか。中国の香港返還のときからです。日本の国旗が国連のど真ん中に堂々と棚引いたときです。イタリア、ドイツの国旗も同時に両脇で靡き、ばあちゃんもTVを見てあれは金で買ったんだ、と誇らしげに言った。伯母ちゃんは隣で聞いていて、ロシアも第5次宇宙大戦が危ない、金で買っといてくれないだろうか。いいよ、とおばあちゃんは国連事務局に電話してスワヒリ語のような言語で話し、国連事務局長に言った。いいよ大丈夫だよと言っていたよ。と電話を置き言った。北北北と言って部屋に入ってきた叔父は、アメリカと我が祖国イングランドの敗戦も買っといてくれないだろうか。自称イングランド国王エドワード8世の私生児、の叔父はイングランドに帰れないと嘆いた。叔父がイングランドに帰ったことはない。イングランド経由のときは、途中で降りた。

いつ、復興するんだい、見通し立たず。じゃあ駄目だよ。期限がないと。祖父は溜息を付いた。アメリカイングランドの敗戦が見通し立たずではドル買いは無理だね、ドルを売らんとね。大叔父はすぐ部屋を出ていった。すぐドルは大崩落した。電話機のそばには、世界の大統領府の直通電話表が載っており、祖父の交友の広さを物語っていた。


 アメリカイングランドが敗戦かぁ、大工できていた別の叔父が来て息子がオックスフォードに行っているから呼び戻すかなと言って鋸を竹刀のように振った。敗戦は危ないしね、なんでも日本の赤を使うらしい、大変だね、日本は冤罪の荒らしだね、アメリカは司法青緑らしい、どこが決めたんだい。中国らしい、あとロシアも。ふうん、中国ロシアは皇帝が戻るのかい、ヘヘヘ、大工見習いをしていた鳶の中国人が笑った。勝戦ですから、うち。足元にはABCマートで買ったエナメルの革靴が光っていた。


 復興かあ、皆それぞれにため息を付いた。


イングランドが焼けになって、グリーンランドを売ったぞ、叔父が悲鳴をあげた。あそこはアラスカ基地で日本復興のロシアの出稼ぎ機関で、金が豊富だ。あっと言う間に大叔父は2.3センチもある金のネックレスを二束三文で買いグリーンランドでは30億円、敗戦日本では10円、とへらへらと笑った。祖父は自分も欲しかったのか、もう無いのかい?と尋ねた。爺さんは南京生まれだから30億、叔父は言い放っだ。祖父はそっぽをむくと、よほど欲しかったのかふんと言って部屋を出て行ってしまった。


ありゃ~、叔父が青紫に変色したブレスレットを持ち上げ嘆いた。たまたま台所に置いといたら変色した、、わあわあわあ10円で買ったのに。台所には、猫の餌の硫酸カリウム、マタタビがおいてあった。いつもの10倍くらい。脱酸化したのだろう。金は腐食していた。これはひどい、ロシア人の叔母ちゃんは塩をまいた。すぐに、酸化が始まり戻り元の光沢に戻ってきた。大叔父は、こんなところ危なくて住めない、出ていくと言って、蛞蝓にかける塩のように、こんもり塩で盛り上がったブレスレットを風呂敷にいれて持っていった。風呂敷が破れた。まだ早いよ

叔母は笑いながら絹の手ぬぐいを投げてよこした。もう、こんなところ、大叔父はプリプリして出ていってしまった。祖父が戻り、フフフと笑った。

おばあちゃん、人が悪い、おばあちゃんは、南南南なら珊瑚を買えばいいのに、東シナ海のルワンダ台湾敗戦で、二足三文だよ、そうかい、じゃあ買ってくる、祖父は大量に買いこれで3億といった。大量に買って曽祖父にうった。いくらで売ったの、10円、そっけなく祖父は言った。


大祖父は、珊瑚は使えない、鉋が入らないと言って近所の舞妓さん、お盤山にあげてしまった。皆キャーキャーと言ってあっという間に持っていってしまった。下駄や、ヒールに珊瑚が飾られた。すぐにアスファルトが壊れるからと靴に珊瑚は禁止になった。