神谷美恵子さんの詩です神谷美恵子さんの詩です まっくらな道には もう春のやわらかい風が流れている その流れに乗って べつの世界にすべり出る だれもいない駅に ひとり腰かけて光をあび 闇をみすえている者。 それは女でもなく男でもない 主婦でも教師でも医師でもない。 ただの人間、ただの求道者 たえず別の世界にすべり出て 人間を、人生を、世界を もう一度みつめ直そうとする 一個の人間にすぎないのだ。 ※ 画像はウコン桜です 近所に咲いています