明日この世を去るとしても 明日の花に水をやりなさい   | 花やっこ

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明日この世を去るとしても 明日の花に水をやりなさい  

 順天堂大学病院 樋口興夫 先生のご本から です

 自分の人生に期待しない。
 人生から期待されていると考える。

 病気になったことで、出世街道から外れてしまったり、人生の目的や生きがいを失ってしまう人がいます。

 がん哲学外来に来てくれたAさんもその一人でした。
 がんの治療を終え、職場に復帰したのはいいが、自分の居場所が無い。かねてから進めていたプロジェクトは同僚が引き継ぎ、上司に「これまでどおり仕事をさせてほしい」と訴えても、「焦らなくてもいいから、まずは自分の身体のことを考えなさい」と聞き入れてもらえません。
「もう二度と元の自分にもどることはできないのでしょうか」
 Aさんはすがるような表情で私に尋ねました。

 人生の目的は何でしょうか。
 偉くなったり、金持ちになったり、会社で重要なポストを任されたりすることでしょうか。いいえ、違います。それらは目標であって、目的ではありません。元気なときは、会社や肩書きあるからいい。自分は偉い、自分は恵まれている、最高に幸せと感じられるのでしょう。
 ところが予期せぬ出来事が起こり、一線を退くことになってしまった。すると、その途端に行き先を見失い、うつ症状を呈する人がいます。なぜでしょうか。
 自分の人生に期待していたからか、看板かじりになっていたからです。
 出世街道を外れたっていいじゃないですか。窓際だっていいじゃないですか。
 会社名や肩書きなど、いったんすべての看板を取り外して、改めて「自分」という人間に向きあってみたらどうでしょうか。
 人生を見直すいい機会です。
 自分の人生にきたいしない。人生から期待されていると考える。必要なのは、金や地位や名誉ではありません。

 自分に与えられて役割を見出し、そのことに全力を尽くす。

 外面的なもの(ハッピー)ばかり追い求めても多くが失望に終わります。
 私たちに必要なのは、心から湧き出でる喜び(ジョイ)です。