もう平地ではスミレ達の季節はほぼ終わりになっていますが、高地では
未だスミレの季節です。
今年撮った写真や来年すみれの花に出会った時のために、多少でも参考になれば
と思い見分け方をいくつか紹介していきます。


   Ⅱ.垂直分布
前回は地域性・水平分布について取り上げましたが、今回は高さによる分布の違い
垂直分布を取り上げます。

海辺に分布する植物は葉が厚くなったり、根が深く砂地にもぐったりと独特の
形態を示し、海浜植物と呼ばれます。
全国に分布する"スミレ"には海岸に適応したものが知られていて
アツバスミレやアナマスミレなどがあり名のように照葉の厚葉になっています。

アツバスミレは太平洋側に アナマスミレは日本海側に分布します。

新潟県の瀬波海岸で発見されたことからセナミスミレの別名を持つイソスミレも
海岸の砂地帯に分布する綺麗なタチツボスミレの仲間として知られています。

こちらも主に日本海側の海岸に分布しています。

 

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また、逆に高山という高冷地に適応した種が高山植物です。
菫ではタカネスミレなど黄花のものが多いです。
タカネスミレの亜種で八ヶ岳固有種のヤツガタケキスミレ⇒コマクサなどの

咲くガレ場に一緒に咲いています。

高山は寒冷であることから氷河期の残存といわれる植物たちが生き残っている
残存植物、隔離分布種も多い。


オオバタチツボスミレやチシマウスバスミレのように高層湿原という特殊な環境に
適応した種も見られます。



垂直分布はその緯度によって当然変化します。

関東、中部地方辺りをめどにしてみると、