前回に引き続き、因果応報のお話。

アンデルセンの『豚飼い王子』というお話です。

或るところに、美しいけれど我儘なお姫様がいました。
小さな国のイケメンの王子様がそのお姫様と結婚したいと思い
贈り物をすることにしました。

亡き父王の墓に5年に一度、たった1輪しか咲かないバラの花。
誰でも一度、その甘い香りをかぐと悲しみや心配ごとを忘れさせてくれるという。
もう一つは王子が持っている、どんな曲でも綺麗な声で歌う1羽のナイチンゲール。  その二つを大きな銀の入れ物に入れて届けさせました。

女官達とお姫様ごっこをして遊んでいたお姫様は、贈られた大きな入れ物を見て大喜びです。
ところが、出てきたのは美しいバラの花。その花に触れたお姫様は、まあ、嫌だわパパ、これは作ったものではなくて本物のバラの花よと、泣きそうな声で皇帝に訴えます。
次に出てきたナイチンゲールにも、本物の鳥だということがわかると窓の外に飛ばしてしまいます。どうしても王子に会おうとしません。

そんなことにめげない王子様は顔を茶色と黒の絵の具に塗って帽子を被り、      お城の皇帝を尋ねて、
都合よく豚番に雇われます。豚飼いの王子様は一日中かかって、          『愛しの君よアウグスチン!哀れや、何もかも、フイ フイ フイ』と鈴がリンリン音を奏でる不思議な壺を作りました。    
お姫様はその珍しい壺を手に入れるため豚飼いに10回のキスを許します。
次に王子様が作ったガラガラのおもちゃには100回のキスを許すのですが、キスの最中を王様に見つかり、二人ともお城から追い出されてしまいます。

雨が降ってきて、自分ほど惨めな者はないと、お姫様は泣きながら王子様を振ったことを後悔します。
その様子を見ていた豚飼いの王子様は、汚い着物を脱ぎ捨てて元の立派な姿になってお姫様の前に現れます。本物の美しいバラやナイチンゲールの歌声の値打ちが分からずに、豚飼いなどにキスを許したお姫様を蔑み、自分の国の門の中に入ってお姫様を締め出してしまいました。
今度はお姫様が門の前に立って歌います。

『愛しの君よ、アウグスチン!哀れ何もかも フイ フイ フイ』
                              おしまい
                   
                                               私にも、もったいないことをした、苦い苦い思い出があります。