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ファラオに次ぐ権力者であり、実際にエジプトを治めている実力者。
そのヨセフがみんなの前に立った。
一斉にその視線が注がれた。アルの想像をはるかに超えていた。
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恐ろしく傲慢で、権力欲に支配された暴君と誰もが
その姿を描いていただけに、拍子抜けするほどだ。
確かに威厳があり、背丈は高く、洗練された機智に、
品性と知性との風格を備えていて、白い衣がよく似合っていた。
だがその瞳は澄んでいてとても深く優しい。
顔は美しく整っていた。
エジプト人のラーモセとは違う、色が白く髪は明るい色をした美しい顔立ちだった。
全員その容姿に驚いた。
恐ろしい風聞ばかり先行しそれを聞かされていたため、
ますます謎が深まるばかりだった。
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ヨセフは、あえてアルの話題は避け、本意を告げた。
「今回の遠征の目的は、討伐ではなく、優秀な人材を求めてのことだ。
勿論、罪人を野放しにすることは不可能だ。
しかし交渉次第で、ファラオの恩恵に与(あずか)ることは可能だ。
ただしその場合、ファラオやエジプト王朝に忠誠を誓わねばならない。
それをあなた方と話したい」
ラーモセの顔が曇った。
父親から王権を奪った異国の支配者に忠誠を誓えと言われたのだ。
内心穏やかではないだろう。話は続く。
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「今や知っての通り飢饉が続いている。
だが我がエジプトのファラオの倉庫には豊富な食糧が蓄えられている。
ピトムには王の倉庫の都市も建設された。飢饉はまだ六年続く。
私の神は、七年の豊作と七年の飢饉を定められた。
現在ファラオの軍隊は最強で、よく訓練され、武器も整っている。
騎馬隊には馬車えをいつでも出陣に備えさせている。
騎馬隊には戦車をいつでも出陣に備えさせている。
東西南北に宿営所を設け守らせており、
ピーソペドに『君主の壁』を建て完璧な砦となった。
しかしネズミはどんな小さな穴からも侵入する。餓えたネズミは猫をも噛み付き襲う。
ファラオの倉庫は鉄壁でなければならぬ。ネズミの抜け穴は、ネズミだけが見つけらる。
そこでアケトに関する噂が私の耳に届いた。さっそくその噂のアケトに会ってみたくなった。
人を殺生せず物を盗むが、火のように攻め、風のように走り、去った後は林のように静かだと聞いた。
しかも全て根こそぎ奪い去ることはなく、幾分かは残すのだと。
アケトに警護を頼む砂漠を行く商人もいるそうだな。噂は事実なのか?」
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ヨセフの問いに誰も答えない。総督は苛立ち居丈高に促した。
だが皆、耳に神経を集めて聞いてはいるが閉口したままだ。
それでもヨセフは横柄にあしらうことはなかった。
「よい。それでは質問を変えよう。そなたたちはベドウィンの族長と馴染みと聞く。
我々にとってベドウィンは少し厄介な存在だ。何度かの討伐も失敗している。
砂漠を自由に行く彼らに追いつくことは不可能だ。
彼らをこの飢饉の間、抑えてくれればいい。当然それなりの譲歩はしよう。
ベドウィンたちのほしがる小麦大麦をある程度提供してもよい。
彼らにも損はない。その交渉をあなた方に一任したい。
勿論、ファラオの倉庫を守る倉庫係もアケトに頼むことになる。
きちんと給料と食料、住む場所も保証する。それに今までの罪状も不問に付す。
アケトにとって決して悪い話ではないはずだ。
約束しよう、六年の飢饉が終われば、全員無事に帰らすと」
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ハブが声を低めサブに提言する。
「気に入らねえ、おためごかしか親切のつもりで、腹の中はわからねえ。
巧妙な作為を感じる。そう思わないか?」
疑い深いパネブも重ねるように言う。
「そうだよ、俺たちを騙すつもりかも。話がうますぎるし、にわかには信じられない」
小心なケンは完全に怯えている。
「あの我が意を得たといわんばかりの余裕の顔を見ろよ、額面通りには受け取れないぜ。
何か眼差しが作為的だと思わないか?」
ヨセフに関する噂が噂だけに、皆疑心暗鬼になっていた。
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意気込んだ顔でアハが言う。
「サブ、すぐに返事するのは避けよう。一旦、相談する時間をもらおう」
アルはラーモセを盗み見た。感情をおくびにも出さずにいる。
初めにラーモセと暮らし始めた頃はいつもこういう顔をしていた。
隙がなく、どこか孤独癖のあるように他人にも無関心だった。
いつも吹く風がそよともしない。
「パピルスの詩」


































