結論から書きます。

 



ずっと死にたかったんです。

サクラは。

 


血液治療で掛かった病気。きっと、長く生きることもなく、そのうち死んでしまう。

だから病気で死ぬ前に。

誰かの役に立って死にたかった。

 

 

だから黒エンドはいつも

後悔なんて一つもなかった

だってハクジくんを守れたから幸せだった

 

"はず"だった

 

その全てが崩壊したのは

千秋楽、黒エンド、最後のシーンでした。

 



 

改めて、

『君死ニタナフ事ナカレ_零改』

沢山のご来場本当にありがとうございました。

 

こんなに

朝から晩まで何でか君死ニのことだけ考えて。

いつも誰かとご飯に行っては君死ニの事だけ話して。

私のこのひと月は、君死ニでした。

 

 

正統な、かよわいヒロインにはなれなかった。

病気もいじめも、辛さを全部笑顔でごまかしてみた。

嘘っぽい喋り方。

たまに嘘つくとき上向いて、幼馴染にはバレちゃうけど。

そんな嘘くさい笑顔と繕った声も若干たどたどしい滑舌も。

見る人によれば芝居下手な人に見えてもいいと思った。挑戦してみた。

病院ばかりで学校にあまり行けなかったサクラは

特殊能力学校に、死にに来た。

死にたいと思ってた。そしたらハクジくんが居た。運命を呪ったけど、これが死ぬ意味だと気づいた。

そんな感じでしょうか。

 


ここに

座長であり、ハクジである植田慎一郎へ



まず何よりの感謝をここに記したいと思います。

 




稽古から長い時間を過ごしました。

 



黒エンドのプロローグ・エンディングは台本をお買い上げの皆様(いや買わなくてもわかる)お分かりの通り、毎公演完全に適当なアドリブでした。


カニエンドって最初にパンフで謳ってしまったから笑、カニはヨコオさんへの愛を込めて残しました。

ヨコオさんは「海について思いを巡らせるとカニとメラニン色素しかボキャブラリーがない」と言ってました。やっぱおかしいです。メニラン...黒エンドの黒はメラニン色素の黒なのかな?

 



オープニングの

フジツボも。フナムシの大群も。遠くをいく船の行き先も。海の先にある大陸も。うまれかわったら、も。今振り返ると少しずつ遠くになっていったんだなぁ。

 


エンディングの

家族との雑談も、今度また来よう、も。近所の美味しいたこ焼きの話も、月の引力の話も。

 



 

一度もしんちゃんと始まる前に合わせた事はなくて。

本当に舞台上で、そのときの気分で会話をした。

ハクジとサクラなら、って信じてたからできる事。

 



一度私が最後の殺陣でローファーが脱げて舞台上に吹っ飛ばしてしまってミズカキがナイスアシストしたけどそのあと救出できなくてエンディングに靴が間に合わない!って時は、二人で靴下を脱いで、最後は裸足で出た。海を裸足でちゃぷちゃぷした。あれもいい思い出。

 

 

 



そんなシーンの千秋楽の黒エンドのエンディングのハクジくんのあの言葉を言われたとき。

(まだこれからタイムシフトで観る人もいると思うので、ここには明記しません)



まさかそうくるなんて1mmも思ってなかったから。


今日もハクジくん守るマンは幸せに死ねると思ってたのに。

 

 



サクラは、はじめて"後悔"してしまいました。

好きって言いたかった

一緒に生きたかった

海にも学校にも一緒に行きたかった

守るなんて、死ねて幸せなんて、ただの"綺麗事"だったんだって。

私のこの感情自体が"嘘"だったんだ、って。

 

 



知らずにごまかして生きて来たサクラと、

それを作って来た花奈澪が

同時に崩れた瞬間でした。

嘘、つけなかった。泣いた。久しぶりに大泣きした。

 

 



最後に嘘を砕いてくれてありがとうハクジくん、慎ちゃん。だいすきです。

 






 

16回があったから辿り着いた。

そんな千秋楽だった気がする。

 


不器用なとこもまっすぐすぎるところも。
この人を支えたい、
この人に輝いて欲しいと思って稽古から過ごしてきたけど
気付いたらわたしが支えられてたんだと思う。

 



来世はハクジくんの笑顔、絶対守るマン!
決めた!



ことしの1月4日に音楽劇ヨルハがはじまった。

そして君死ニで今年の舞台が終わった。

ほんと、身体もココロもぐちゃぐちゃにされました。

あんなに汗かいて、涙流して。

 

 



打ち上げ後に残った馴染みの数人でなぜか最後にパスタ屋に入って辿り着いた答えは

”なんだったんだろうこの1ヶ月”

というとてつもなく大きな虚無感でした。

心に大きな穴がぽっかりあいてしまったみたいです。

何かあったような、なかったような。

カレー食べれば良かったかな。




いつも出番前

「サクラかぁ〜!俺は新橋だ!新橋マコトだ!心配しなくていい!みんないいやつだからな!それとなぁ、お前の幼馴染みの〇〇〇〇ってやつがry」って迎えに来てくれた、新橋先生。

サクラを受け入れてくれた学生チームのみんな。

でも最後にみんなのこと刺しちゃった。

深層心理に、みんなは病気じゃなくて生きれるからいいなって仄暗く思ってたのかもしれない。

でもね、本当に楽しかったんだ。

みんなと普通に学生生活がおくれるのがうれしくてうれしくて、最初は空回って変な笑顔でね。





どちらのエンドも
迷惑かけちゃうボタンさんには。
ボタンさんに届くように、最後の殺陣中のセリフは台本通りやってないけど、変えた瞬間舞台上で想いをすぐ受け取ってくれた。りんのボタンさんで良かった。




そして本気のぶつかり合いしました恒、千草。

半端ない。この人に勝てないけど勝ちたいから、たくさん蹴り練習した。剣も一からみんなが教えてくれた。

 

 

決してテンプレ通りじゃないであろう

わたしのサクラを良しとしてくれた

セリフ含めて自由にやらせてくれた

演出、いちだいさん

原作、ヨコオさん



ありがとうございました。




終わったあとヨコオさんがとても嬉しいLINEを下さったけど、その言葉の分、また自分を疑って、そのまま自分を戒めた。




 

応援してくださった皆様

本当に、本当にたくさんのご来場

なんてお礼を言ったらいいのかな

わたしたちは

ちゃんと、なにか届けられたかな



心から、心からありがとうございました

 



関谷Pも沢山沢山ありがとうございました




最後のカーテンコールの拍手

出て来たみんなの姿は

忘れられない光景になりました

 

 


みんなが差し入れてくれた

アミノバイタル。

もう千秋楽までなくならないんじゃないかとみんなで驚いてたけど、綺麗さっぱりなくなってた笑





ローファー。
まるで三年履いたみたい。




先の道なんてわかんないけど
いまわたしは、生きられて良かった。
ヨルハに出て、君死ニに出られて良かった。



また皆さんに会えるように。


こんな舞台があったなって、
覚えてくれていたら嬉しいな。


経験したことのない
感情を知ることができた。
止まらない涙を流した。
感情を相手に壊される感覚。



本当に、本当に
ありがとうございました。



サクラ役 花奈澪