review |レビュー:イールズ / Eels – Wonderful, Glorious | NMC - Music Recommendation and Discovery. Plus, more music from New Names.

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First Impression : Eels – Wonderful, Glorious



Eことマーク・オリヴァー・エヴェレットが95年から率いるイールズの96年の1stアルバム「ビューティフル・フリーク」から通算5枚のアルバムが本作。

この5thアルバムはLAにあるEの新しいレコーディングスタジオで創られた最初のアルバムでバンドのメンバー全員がライティング・プロセスに置いても貢献しているという。

その結果は前作よりバラエティ豊かでしばしばラウドなサウンドになっている。

M03 "Accident Prone,"ではギターの爪弾きとともに呪文のような旋律の「ディティーズ / Ditties (インタールードの大歌に対してイントロとしてうたわれる小歌曲)」を壊すように小休止を挟み突如ラウドなサンウドになる。

彼自身の衰弱自己嫌悪と自信満々のロック気質を体現したかのような曲になっておりラウドな合間の彼らはとても愉快なひとときを過ごしているかのようで元はソロシンガーであったEがバンド・サンウドになった佳曲といえよう。

依然として彼の荒涼としたユーモアは一貫として流れているがいかにもアメリカの男らしい無骨さと絶望との両立への諦観ともとれるこのアルバムの代表曲である。

だがこのアルバムの最強トラックはパワフルなM04"Peach Blossom"であろう。ピクシーズ (Pixies)の「ボーン・マシーン」に似たこの曲はまたトム・ウェイツ
(Tom Waits)の影響が垣間見える。

陰影に富んだ描写はアメリカの光と影を描くライターであるEが喜怒哀楽の中で世界にゆっくりゆっくり時間をかけて馴染んできたことの証しだろう。

アルバム「Wonderful, Glorious」は幼少期に母親の暴力によって虐待されていた経験やロマンチックな災難を駆け抜けてきたEがいますべてが順調であると印象を与えた記念碑的アルバムである。

M01. Bombs Away
M02. Kinda Fuzzy
M03. Accident Prone
M04. Peach Blossom
M05. On The Ropes
M06. The Turnaround
M07. New Alphabet
M08. Stick Together
M09. True Original
M10. Open My Present
M11. You're My Friend
M12. I Am Building A Shrine
M13. Wonderful, Glorious


拡張したいぶし銀に脱帽


Author rating: 8/10
★★★★★★★★

 Wonderful Glorious/V2

CD (2013/2/12)
ディスク枚数: 1
フォーマット: Import
レーベル: V2
ASIN: B00A18KBFA
EAN: 0602537235285




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