25歳男性。とある専門学校に通っていて、行事の懇親会の際にクラス対抗の腕相撲大会に出場。
相手がかなり強く、負ける寸前のところで耐えてはいたものの、手首に急に痛みを感じ負けてしまった。その後、痛みが引かなかったため、すぐに来院。
手関節の特に尺側(小指側)に痛みが強く、回内・外動作や背屈動作で痛みが増すとのこと。圧痛や腫脹、可動域の制限もみられる。
尺屈ストレステスト(+)、尺骨突き上げ症候群は(ー)だが、健側と比較し患側の尺骨が背側に多少浮いてしまっているように見えた。
また、背側から尺骨を下方に押し込むと、健側と比べ沈み込みが強く、関節の不安定感が増していることから、TFCC損傷の疑いが強いと判断した。
(*TFCCとは…三角繊維軟骨複合体という遠位橈尺関節を安定させるための組織の事。これを損傷してしまうことをTFCC損傷という。)
熱感が強く、特定の動きで痛みが増すため、アイシングで炎症を抑え、痛みの出る動作に制限をかけるテーピングを施し、安静にするよう促し様子を見た。
後日、痛みが減り関節可動域も元に戻りつつあるが、やはり特定の動きで関節の不安定感と痛みが誘発されるため、テーピングと安静指導は継続し、手首へのストレス軽減のために前腕~手にかけてマッサージやストレッチで柔軟性を保持していき、経過を観察していくことにする。