「幸せ」を考える場に

 

講演のため、大阪府門真市に行った。

博多駅から新大阪を経由し、在来線を乗り継いで門真市のルミエールホールに到着。

有料イベント。しかも、僕は大阪での知名度がまったくない。

来場者の数は、想定していた通りだった。

 

演題は「あなたは子どもに何を遺しますか」。

講演を終え、ロビーで来場者に挨拶をしていると、70代ぐらいの男性が、険しい表情で駆け寄ってきた。

 

思わず、後退りした僕に彼はこう言った。

 

「20年分、泣かせてもらいました」

 

男性の目には涙がいっぱい。

彼は、僕の手を強く握って会場をあとにした。

 

それ以上の言葉を交わさなかったので、なぜ、「20年分」なのかわからない。

もしかしたら、20年前、つらい出来事があって、ずっと、泣かずに我慢されていたのかもしれない。

 

死別なのだろうか。

何となく、そんな気がした。

 

「家族の幸せとは何か」「どう生きるか」を会場まで足を運んでくれた方たちと一緒に考える。来場者数や箱の大きさは関係ない。そうした時間を必要としている人と向き合うことに意味があるのだ。

 

活動の原点を思い出させてくれた男性に感謝したい。

 

 

講演会の前には、監督を務めた映画「弁当の日」が上映された。