宅配ボックスに不審な荷物

 

自宅マンションの宅配ボックスがリニューアルされた。

新調された宅配ボックスは電気式。

液晶パネルに暗証番号を入力すれば、ボックスがパカっと開く。

防犯性が高く、日中の不在が多いわが家にとっては大変助かるシステムである。

他の入居者にも好評だ。

 

入居者ではないのに、この宅配ボックスをうまく利用している人物がいた。

娘と一緒に帰宅した日のことだった。

マンション1階の郵便受けに宅配便の不在通知票が入っていた。

宅配ボックスを開くと、荷物が届いていた。

段ボール箱に印刷された「プロテイン」の文字。

注文した記憶はない。

そもそも、プロテインは飲まない。

プロテインに見せかけた危険物か。

誰かの嫌がらせだろうか。

 

 

あれこれと思いを巡らせていると、娘がニヤリと笑った。

まさか、と思ったが、やっぱりそうだった。

娘の彼氏、ねすたがネットで購入した商品だった。

 

わが家のベランダで筋トレをする娘の彼氏。この後、サングラスをかけて日光浴を楽しんでいた。