アルバイトの最終日に

 

大学生の娘は飲食店と衣料品店でアルバイトをしている。

その勤め先のひとつがGU。大学1年生の秋から働き始めたGUでの仕事は、きょうが最終日だった。最初は「もう辞めたい」と弱音を吐くことも多かったが、同じ時期に入ったアルバイトの中で、結局最後まで残ったのは娘ひとりだった。約1年半、よく頑張ったと思う。

 

ところが、最終日だというに娘は目覚ましのアラームに気づかず寝坊してしまった。バタバタと身支度を終え、いつものように弁当を作ろうとしたところ、今度は、ご飯を炊いてなかったことが発覚。「あ〜もう時間がない。終わった」とつぶやく娘。

 

夜8時までの勤務で、昼食抜きはつらいだろう。パパの出番である。食パンが残っていたので「作ろうか。ホットサンドでもいい?」と、助け舟を出してみた。

 

ゆで卵をマヨネーズであえる。

 

粗びきソーセージをのせる。

 

ホットサンドメーカー「バウルー」で焼く。

 

半分に切って完成。

 

 

思えば、大学入学当初、早起きが苦手だった娘。しばらくの間、パパが弁当を作ってあげていた。出来上がったホットサンドを手渡すと、娘は「最終日はパパの弁当に戻ったね」と笑顔。娘のピンチはパパのチャンスということか。ありふれた日常のエピソードだが、こんなことが、案外忘れられない思い出になるのかもしれない。

 

マンションのエレベーター前、娘を見送り。