娘の名前に込めた思い

 

娘の名前はすぐに決まった。

平仮名で「はな」と名付けた。

 

僕たち夫婦は病気をした。病気が、1人では生きていけないことを教えてくれた。

支えてくれた周囲の人たちの言葉や行動に「愛」を感じた。

 

花は愛すべき人に贈る。

受け取った人は、花に心が癒やされる。

 

誰からも愛され、人を癒やし、

優しい女性に育ってほしい。

娘の名前には、そんな思いを込めた。

 

 

追記

僕は漢字を希望していたが、妻が平仮名にこだわった。いつも「信ちゃんの好きにしていいよ」という妻だったが、このときだけは、譲らなかった。

 

「柔らかくて親しみやすい印象。読み間違いもない」

小学校教諭として働いていた妻らしい理由だった。

 

(続く)

 

生後間もない娘を撮影するため実家(若宮写真館)に帰省。右は母(2003年春)

 

撮影:安武信義