食の支援続けたい

 

夕食の片付けを終え、リビングのソファに横になったところだった。

娘が申し訳なさそうな顔をして尋ねてきた。

 

「ねすた(娘の彼氏)が今からご飯食べに行ってもいいですか、って言ってるんだけど」

その夜、ねすたはわが家に来る予定ではなかった。

 

あまりに突然だったので、「おいおい、勘弁してくれよ」との思いもあったが、事情は聞かず、ありあわせの食材で豚しゃぶ鍋を作った。豚が足りなかったので、冷凍していた鶏肉も追加した。

 

寝室のプロジェクターで映画を見ていると、インターホンが鳴った。

鍋の準備は整っていたので、あえて食卓には顔を出さず、娘に任せた。

 

しばらくして、娘からLINEが届いた。

 

 

ねすたは某国立大医学部の2年生。

大学在学期間6年の後半は、専門医の取得を目的とする臨床研修が本格化する。

加えて、部活とアルバイトも忙しい。

医学部は他学部に比べ、留年率も高い傾向にあるだけに、これからが正念場だ。

 

誰もが必要とし、世の中になくてはならない仕事が医療。

今は苦しいだろうが、将来の夢をつかみ取ってほしい。

命がテーマの執筆などを生業とし、同じ志を持つ仲間のひとりとして、彼が大学を卒業するまで、食べることだけでも支援できればと思う。

 

休日のねすた(年始、実家のある東京都で)