たそがれている年齢じゃない

 

家族3人で暮らしていたころ、ショックで心を打ち砕かれそうになることが多々あった。

そのひとつが、妻のがん再発。

だが、彼女はどんなに苦しくても、その困難を楽しんでいるかのように、持ち前の明るさとユーモアで乗り越えようとした。

 

妻が他界して16年。

最近、何事にもやる気が出ない。

妻のブログを振り返り、そんな自分に活を入れる。

 

たそがれている年齢じゃないぞ。

還暦の俺。

 

 

がんばるけ〜ん!

By 目マン

 

 

何度目かの宣告(2007年7月4日)

 

がんになると、西洋医学を完全に避けている人以外は、年に数回の検査が“必修科目”となる。

 

 

再発しなければ、1カ月→3カ月→半年→1年と検査期間が延びてゆき、それぞれにクリアできれば、1年に1度の検査でOKとなる。

 

 

しかし、途中で再発すると、病院とは、ほぼ半永久的なお付き合いの対象となるわけだ。

 

 

私は、後者だ。

 

 

再発してからこれまでに、何度となく、宣告を受けてきた。

 

 

 

一番衝撃的だったのは、いつだろう?

 

 

 

やっぱり、一番最初の告知はガツンときたな。

パンチとともに、スクリューもともなったハードなやつだった。

 

 

次は、最初の再発時。

 

 

これも、けっこうハードだったな。

 

ムスメと旦那を両脇に抱えて、どうしようかと悩んだ時期。

 

 

その次は、一度消えた左肺のがんが両肺に戻ってきて、

肝臓も骨も侵されているとわかったとき。

 

 

目の上切れました。

鼻血も出ました。

「もう、立てませんっっ」ていうくらいのハードなパンチだった。

 

 

その次は?

 

 

肝臓の半分以上が、腫瘍に侵されたとき。

 

 

自覚症状も出たりして、精神的にもかなりやられていた時期。

 

 

その次は?

 

 

まだ体験してない。

 

 

できれば、もう体験したくはないけれど、これがなかなか人生思う通りには進まない、とも思っている。そう考えていた方が、今後、楽だったりするのかもしれない、と思う今日このごろ。

 

 

今日は、何度目(十何回目?)かの「宣告の日」。

 

 

再発がん患者には、何度となくおとずれる宣告が、ボディーブローのように効いてくるのが普通だが、何度も打たれていると、そのうち、ちょっとずつ強くもなってくる。

 

 

先週受けた全身検査の結果が出た。

 

 

最も心配していた両肺と肝臓の転移はなし。

つまり、変わりなし。

 

骨も大きな変化はなし。

 

 

まる3カ月間無治療だったのに、これはかなり、うれしい結果だった。

腫瘍マーカーも、0コンマちょっと下がっていた。

 

 

マーカーが下がっているので、良く言えば、悪くはなっていない。

悪く言えば、眠っていたがん細胞が、ちょっとずつ動き出してきている感じあり、というコメント。

 

 

新たな変化はリンパ腺だった。

 

 

検査の前から、それとな~く言われていたので動揺はなかったが、それが左手の浮腫の原因にもなっているのだ。

左のわきと首のリンパが怪しい。気管支にも多少、怪しいところあり。

 

 

リンパが腫れて、中身が詰まるのだから、

流れが悪くなって、手がむくんでいるのだ。

 

 

手術で取っているはずなのに、まだ活発に動いている残りのリンパちゃん。

まあ、わたしのことだから、センチネル検査だけで、リンパを取っていなかったら、今頃、「ああ、ちゃんと取っておけばよかった」なんて後ろ向きになっているはずだから、取っておいてよかった。

 

それはそれ、これはこれ、だ。

今からの手だてを考えることの方が、重要。

 

 

気管支は、今のところ、全く自覚症状なし。

ひどく腫れてくると、咳が出たりするという。

 

 

家族や友達や周囲に支えられ、ここまでやってきた。

仕事もフルタイムではないけれど、ありがたいことに必要とされて、ぼちぼちやっている。

 

 

こうした支えがなかったら、私は今ここにいなかっただろう。

 

 

最初のパンチで、ノックダウンしているはず。

 

 

ブログでのみなさんの応援も日々の力となっている。

ひとりでは、絶対に乗り越えられなかった壁だ。

 

 

みんなの想いが、これまでの歴史に詰まっている。

だからこそ、絶対に乗り越えたいと思っている。

 

 

今週末から、残り少なくなってきた治療薬のひとつを選択し、治療に入る。

今度の薬は、はげない。ごく普通の生活を送ることができると思う。

 

 

もちろん、今やっている様々なことも続ける。

 

 

乗り越えると決めた初日のBGMは、Beyonceの「Crazy in Love」。

タイトルはともかく、この前奏を聞くと、闘争心が燃えてくる。

Beyonceの声が、心強いんだろうな。

 

 

そうそう。本日の診察料は210円なり。

 

 

治療中や検査のたびに、いつも、3万円4万円と万札がひらひら飛んでいくので、クレジットカードを用意していたのに、ずっこけた感あり。

 

心、ときめいた。

 

 

もっと、他のことで心ときめかせたいな。

三十路なわたし。

 

 

がんばるけ~ん!

By 目マン