人生最後の梅仕事

 

亡き妻千恵のブログ「梅干し」(2007年6月15日)を読みながら思った。

彼女にとって、これが人生最後の梅仕事だったんだなあ、と。

 

今年の梅は昨年よりおいしく。来年の梅は今年よりもっとおいしく。

今という時間を無駄にせず、学ぶ心は年々、熱くなるばかりだった。

 

 

「明日死ぬかのように生きよ。永遠に生きるかのように学べ」

Mahatma Gandhi(マハトマ・ガンジー)

 

 

これから先の人生、何が起こるかなんて誰にも分からない。

ひょっとしたら、明後日が人生最後の講演になるかもしれない。

今年が人生最後のクリスマスになるかもしれない。

実家の両親と迎える人生最後の正月になるかもしれない。

 

ぼんやりと過ごした今日は、昨日亡くなった人がどうしても生きたかった今日かもしれない。

 

大切な気づきをありがとう。

 

家族3人で行った最後の旅行。千恵はリンパ浮腫でむくんだ左腕を気にしていた(2007年8月18日)

 

 

俳優の芦田愛菜さんに千恵が作った梅干しを食べてもらった「24時間テレビ」撮影の裏話↓

 

9年ぶりに再会した芦田愛菜さんとはな

 

 

このとき、千恵に残された寿命は、あと1年ちょっと。人生最後の梅仕事。

※以下、千恵が体得した梅干しの作り方です。興味のない人はスルーしてください。来年チャレンジしてみたい人は要保存。

 

梅干し 〜初心者でもできるレシピ〜(2007年6月15日)

 

私も、梅干し作りは、今年でようやく3年目。

まだまだ初心者でございます。

 

初年度は塩分20%で漬けて、えらく塩辛くなってしまったので、2年目の去年からは12%で漬けています。

 

去年の出来がまずまずよかったため、今年も12%でいきます。

塩辛いのがお好きな方は、15%以上で漬けられたらよいでしょう。

 

それから、初心者用に書きますので、なるべく取っ付きやすくするため、しそは売っている「もみしそ」に変更しますね。


赤しそをもむ作業は、来年以降にチャレンジしましょう。

そのかわり、もちろんのごとく、「もみしそ」は、赤色○○号とか、酸味料とかが入っていない物を選んでくださいね^^;
今、スーパーでも、梅の隣には、必ず、びんともみしそがセットで並んで売っているはずです。

 

分量

 

熟した梅3キロ
塩(できれば、自然海塩)360グラム(1~2キロしか作らない方は、1キロにつき120グラムと覚えましょう)
焼酎(アルコール度数25%以上のもの)1.5カップ(1キロにつき半カップ)
瓶(果実酒用の8リットル大びん)
消毒用の焼酎適量
もみしそ 梅1キロか2キロにつき、1袋(300~500グラム)
もみしその塩分でも梅の塩加減が変わってくるので、薄塩が好きな方は、もみしそを加減するといいと思います。

 

焼酎を入れる理由は、減塩レシピのため、カビ防止。

また、梅酢が上がりやすくするため、などです。

まずは、梅。

 

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かわいい梅ちゃん。


青梅は、家の中でざるに並べて2〜3日置き、少し赤み~黄色っぽく熟すまで待ちます。

 

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熟したら、桃のような何とも言えない良い香りになるので、香りを楽しんだ後に、あく抜きを兼ねて一晩水に漬けます。

 

熟し過ぎた梅は、一晩漬けると皮が傷んだりするので、軽く洗う程度で済ませてください。


一晩水にさらした梅を、軽く水ですすぎながら洗い、ふきんを敷いたザルに並べて、水をよく切ります。水分が残っていると、そこからカビが発生するので、よ~く乾燥させましょう。

 

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乾いた梅のヘタを、つまようじで丁寧に取ります。

ぽろっと簡単に取れるので、根気よく取りましょう。

このヘタ取りをさぼると、梅酢がよく上がらないので、梅が堅くなったり、カビが生えたり、と失敗してしまいます。

 

ちなみに、ちびっ子はこの作業が大好きですので、一緒にやると楽しいですよ^^

 

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余談ですが、梅の後ろに見える手ぬぐいは、「てんとまる~のか~ばた、から~しめんたいこ♪よっ!かば田!」のCMソングで有名な「かば田」めんたいこのパッケージをデザインしている中村ちひろさんの作品です。昆布漬け辛子明太子と言えば「かば田」。

これを見るたびに、笑顔の素敵なちひろさんを思い出します^^

 

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びんは、洗ってよ~く乾燥させ、少量の焼酎かホワイトリカーで消毒します。

底を覆うくらい、塩を軽くまぶします。

 

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梅と塩を交互に重ねて、一番上の塩は、ちょっと多めにふりましょう。

 

そうして、分量の焼酎をびんのふちから注ぎ、一番上に梅の量と同じくらいの重しをのせて、完了。
去年までは、口の広い壷で漬けていたので、重しはダンベルにしていました。

今年は口の狭いびんにしたので、重しはビニール袋を2〜3重にしたものに水を入れて使っています。なかなかいい感じですよ。水の重さは適当です^^:

こうすると、梅全体に重さが均等にかかるのです。

 

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横から見ると、こんな感じ。

塩漬け、完成です。

 

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昨日漬けた梅(左)と一昨日漬けた梅(右)を並べて比較すると、こんなに梅酢が上がっていることがわかります。

この状態で、梅酢が上がってくるまで数週間待ちます。

 

梅の分量以上に梅酢が上がったら、その梅酢は白梅酢として清潔な瓶に移して保存しましょう。この梅酢は、料理にも大活躍しますので捨てません。

 

もみしそは、梅酢が上がった後に入れますので、今日はここまで。

 

梅酢の上がりが良い方は、白梅酢を半分ほど保存した後に、もみしそを上から重ねて入れます。そうしてきれいに赤く染まった梅を、梅雨が開けたら干すのです^^

 

その作業も、楽しみです。

 

 

娘もママが遺したレシピを参考に梅干し作りに挑戦。「土用干し」は、最後の仕上げ(2015年8月17日)

 

 

梅干しの作り方はこちらにも収録↓

 

 

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