心のケアに取り組む小児科医

 

明日は、福島県郡山市の小児科医に会いに行く。東日本大震災後、子どもたちの心のケアに取り組む医師、菊池信太郎先生。福島訪問は、菊池先生と交わした約束を果たすためだ。

 

2017年、西日本新聞で連載「はなパパの食べることは生きること」を執筆していたころだった。同連載は、中日新聞、東京新聞など他のブロック紙にも再掲され、その反響もあってか、僕は北海道から沖縄まで全国各地を講演で飛び回っていた。

 

妻に顔を寄せる娘。連載は2015年9月から2017年3月まで執筆した(2017年3月14日付、西日本新聞朝刊)

 

同年4月、全国の医師が東京に集う「日本小児科学会学術集会」があった。連載記事を目にした関係者から声がかかり、僕は同集会の市民公開講座で「食といのち」をテーマに話をすることになった。

 

講演後のパネルディスカッションでは、ノンフィクション作家で「グリーフケア」の専門家としても知られる柳田邦男先生ら識者らと共に登壇。柳田先生といえば、航空機事故や医療事故、災害、戦争などのドキュメントや評論を数多く執筆された「大宅壮一ノンフィクション賞」作家でもある。新聞社に勤める身として、あこがれの存在だった。

 

菊池先生も、パネリストのひとりだった。

そのとき初めて、僕は菊池先生の活動を知った。

 

日本小児科学会学術集会の会場(2017年4月16日)

パネルディスカッション。右から柳田先生、菊池先生、左端が安武(2017年4月16日)

 

今年2月、菊池先生が仕事で福岡市にお越しになった。6年ぶりの再会だった。

 

福島に戻るフライトの時間が迫っていたが、繁華街の立ち飲み酒場にお誘いし、1時間ほど一緒にビールを飲むことができた。僕のことをはっきりと覚えてくださっていたことが、何よりもうれしかった。菊池先生と約束を交わした場所は、その酒場だった。菊池医院創立75周年記念の特別講演を依頼されたのだ。

 

明日は、医療従事者だけでなく、誰でも参加できる。きっと、子どもたちの幸せな未来づくりに力を注いでいる人たちに出会えるはず。

 

僕自身が、「心のケア」を学ぶ絶好の機会でもある。

 

講演会のチラシ