乳がんと遺伝

 

千恵は25歳で乳がんを発症。娘もその年齢に近づいてきた。

乳がんと遺伝の関係性については、娘も薄々わかっているだろう。

心配しすぎるのは良くないが、現状を知ることは大事。

乳がんの基礎的、臨床的研究の最新データが集約されている「日本乳癌学会」の見解はどうなのか。「患者さんのための乳癌診療ガイドライン」に目を通した。

 

「乳がんは遺伝しますか」の問いに、以下のように回答されていた(一部抜粋)。

ご自身の家系内に乳がん患者さんがいる場合、その患者さんとご自身との血縁関係が近いほど,また乳がん患者さんが家系内に多くいればいるほど、その人の乳がん発症リスクは高くなります。世界中の多くの研究をまとめた検討では、親、子、姉妹の中に乳がん患者さんがいる女性は、いない女性に比べて2倍以上乳がんになりやすいことがわかりました。

 

では、どうすれば良いのか。

本日紹介する千恵のブログは、その具体策。

まずは自分でできる検査と予防。

わが家の風呂の壁にも「乳がんの自己触診法(イラスト解説付き)」を貼っています。

 

娘、油断するなよ(2023年11月19日)

 

 

おっぱいセルフチェックの方法(2007年5月16日)

 

「乳がんになる人は、巨乳が多いんでしょう?」とは、実際に聞かれた質問。

そんなことは、絶対にありません。

大きい人も、小さい人も、なる人はなるんです。

 

そこに、乳がある限りなるんです。

 

ですから、圧倒的に女性が多いのは事実ですが、

男の人もなるんですよ。乳がんは。

 

30歳を超えたら、年に一度の乳がん検診と子宮がん検診は受けたほうがいいとの報告があります。

でも、差し迫るものがないと、なかなか行かない人が多いのが実情ではないでしょうか。

 

そこで、簡単なセルフチェックの方法をお伝えしたいと思います。

できるチャンスは日に2回。

お風呂に入る時と、寝る時。 

お風呂では、裸になり、鏡に向かって行います。

また、石鹸で身体を洗う際も、すべりが良くなるのでやりやすいでしょう。

寝る時は、仰向けになり、同じように行います。

 

気をつけることといえば、ひとつだけ。生理の前と最中と後(4〜5日間)は、ホルモンバランスの関係で乳房が多少拡張しますので、その時期は外します。

(でも、妊娠や授乳期にも乳房は大きくなりますが、その期間に乳がんになった方も多く存在します。妊娠出産時の乳房の拡張で発見が遅れる場合もあります。 本来は、いつも気をつけておかなければならないのかもしれません。)

 

それ以外の日に、週に一度でもいいから鏡の前に立ったら(布団に寝転がったら)、やってみてください。

 

 

裸になり、鏡に向かって両手を上げます(寝てする場合は、仰向けになり、片手を上げて行います)。

ここで、

*極端に左右の大きさが違わないか。

*乳房に引きつれやくぼみ(えくぼのようになること)がないか。

*乳首の先に異常はないか。

をチェック。

 

問題がなければ、次に進みましょう。

*乳首にかゆみがないか。

*乳首から分泌物がないか。 

 

授乳経験者はやり方が分かると思いますが、未経験者は、乳房を外側から乳首に向かって搾り出すようにして、 乳首から何か液体(まれに、血が出る人もいる)が出てこないかどうかを調べます。

 

どちらも(かゆみも分泌物も)ある場合は、詳しい検査を受けることをお勧めします。

 

次に、胸を片方ずつチェックします。

 

まずは右胸から。

右手をバンザイの高さに上げ、左手の親指以外の4指で、わきの下→胸を外側から乳首にかけて絞るような感じで、全体的にくまなく→鎖骨の周り→首すじを触ります。力加減は、指にあばら骨が当たるくらい。けっこう強めがいいと思います。

終わったら、反対側も同様に。

 

もし、こりっと当たる小豆大のしこりがあれば、要注意。

1〜2週間様子を見て、なくなる様子がなければ、検査を受けることをお勧めします。

 

 

それから、病院に行く場合。

乳がんは、婦人科ではなく、乳腺外科へ行きます。

総合病院等の大きな病院は、紹介状が力を発揮します。

紹介状のあるなしで、初診料金が数千円も違うところもあります。

時間に余裕があって、可能ならば、小さな病院で相談して、大きな病院や、治療を受けてみたい医者を紹介してもらうといいと思います。