幸せの連鎖
ちょっと前に、うれしいことがあった。
講演で長野県に出発する日の朝だった。
福岡空港から出発する飛行機の時間は午前8時。
前日の仕事の疲れもあり、フライトに間に合うギリギリの時間まで寝ていた。
目覚めて驚いた。
いつもは朝寝坊の娘が、朝食を用意してくれていたのだ。
自分自身も夜のアルバイトや課題レポートの作成などで疲れているはずなのに。
手紙とおにぎりとチョコレート。
おにぎりは空港で食べた。中には鮭が入っていた。
チョコは講演前の緊張を解きほぐしてくれた。
簡素な食事だが、娘の気持ちが十分に伝わってきた。
おにぎりを頬張りながら、仕事に家事に子育てに忙殺された日々を思い出した。
毎朝、娘に弁当を作った。反抗期の時も受験前も。
すべてが報われたような気がした。
自分がしてもらってうれしかったことを誰かにしてあげる。
幸せの連鎖を広げていく。そんな人になってほしい。