約束は腹八分

 

娘のため息が漏れた。

注文した冷麺が運ばれてきたときだった。

 

 

お盆の15日、娘はアルバイトを入れてなかった。

彼氏もサッカーの試合で大阪に遠征中。

よって、親子2人で外食に出かけることにした。

 

娘は牛タンが大好物。

「せっかくだから、焼き肉でも行こうか」

娘の喜ぶ顔が見たくて、近所の焼き肉店を予約した。

 

席に座ると、娘が「今夜の目標」と言った。

「注文しすぎないこと。食べ過ぎないこと。腹八分。いい?」

僕は「わかりました」と答えて、とりあえず、瓶ビールを頼んだ。

 

ネギ塩牛タンから始まり、中落ちカルビ、セセリ、ネギ塩モモ、ワカメと卵のスープ、ご飯(大)、白菜キムチを食べたところで、まあまあ満足だった。

 

そこで、僕がメニューを手に取ると、娘の顔が少し曇った。

しかし、アルコールで鈍感になった食欲を抑えることはできなかった。

 

僕は「期間限定」という言葉に弱い。

やっぱり、最後はさっぱりと麺で締めたい。

 

抜群にうまかった。

 

腹120%だった。

ご飯は小でよかったかもしれない(←そこじゃないやろ)。