最初に少々のネタバレをご了承ください。

 

この作品は、ミステリに分類されるでしょうが、他の天祢さんの作品のように最後にどんでん返しがあったり、驚き(多少はありますが)があるわけではありません。

また、タイトルについて、比喩表現だったり、実は殺人の過去がありませんでした。というものではありません。

 

最初は、ある会社に新卒で入社した女性目線から話が始まります。

その女性、彩の先輩にあたる田中は、最初こそとっつきにくい先輩でしたが、徐々に打ち解けていき、田中への想いが強くなっていきます。

また、田中の同期の佐藤も含めて彩と仲良くなっていきます。

 

それがある日突然田中が、朝礼で

「以前、私は殺人を犯していた」

と打ち明けます。

 

田中、彩、同期の佐藤と母、youtuberと目線が変わりながら物語は進んでいきます。

 

本作は、正直に言って、重いです。

 

しかし、この重さを最初から覚悟のうえで、読み進めたのですし、それぞれの立場や更生とはどういうものか、残された方たちの想いや、いわゆる外野のひとたちの無責任な行動等々、読了後も余韻が残り、その後彼らはどうなるんだろうと考え、少々の希望(というか期待)も込めていろいろと思いを巡らせた作品でした。

 

まあ、本当のネタバレになってしまうので、詳しくは書きませんが、こんな偶然はないだろうと突っ込む部分はありながらも、このテーマの前では、もし、そうだったら。。。と考えるための必然と受け止めることもできます。

 

文章自体は、天祢さんの他の作品と同様、読みやすいながらも、先が気になって一気読みせざるを得ない作品でした。