新潟から特急「いなほ」で秋田へ向かいます。

白新線、羽越線経由でひたすら北を目指すことになります。

この羽越本線も何度となく学生時代から乗車してきましたが、いわゆる笹川流れの景勝として知られる海を間近に見られる区間の昼の乗車は、最近までありませんでした。

数年前に、この区間の風景を車窓から眺めた時には、感動に近いものを感じました。

急行「天の川」、寝台特急「トワイライトエクスプレス」等々で乗車していながらも、季節柄すでに暗くなっていたのでした。

 

更に、この羽越本線は、複線区間でも上下線で少々離れた線路を通る区間もあり、下り線(秋田方面)に乗車するのが、風景を眺めるのにベストでしょう。

先月の北陸応援の旅からずっと日本海沿いの鉄道に乗る機会が増えていますが、山陰本線の西側区間と、北陸本線親不知付近、五能線と並んで本州では、この羽越本線からの日本海風景は、絶景と言えると思います。

 

今回は、秋田に宿泊予定ですが、このまま乗っていると、12時過ぎに着いてしまうので、どこかを観光して、温泉に入るということだけを決めて、当日どうしようかというところまでで出発しました。

 

差し当たり、村上からバスに乗れば、温泉地があるのですが、今回はスルー。

村上を過ぎ、(鉄道ファンにとってだけ!)面白い場面の交直切替のデッドセクション通過で車内の電気が少しの間消えるのを確認して、海の絶景を眺めるうちに鶴岡。

 

鶴岡までくると、東北の日本海側という風景に変わってきます。

少し海から離れて走り、象潟で途中下車します。

 

象潟と言えば、松尾芭蕉の奥の細道。

 

紀行については、大先輩の松尾芭蕉の歩いた象潟を観光することにしたのです。

 

いつもいつも引用が多くて恐縮ですが、名編集者でもあった宮脇俊三氏は、松尾芭蕉の奥の細道について、

 

「思い切った省略がすごい!」

 

と仰っていました。

俳句という短い文字数で表現するという技術もすごいですが、奥の細道で、いろいろな景勝地を歩き、感動も多かったはずです。

にもかかわらず、ある場所の記述があったあと、一気に次の場所の核心に迫る、という書き方をされているということです。

 

私は、真逆で数時間のことを非常に長くダラダラと綴っており、読む側からみると、

「何が言いたいのかわからない!」

でしょうし、読み飛ばされるのも必至でしょう。

それがわかっていながらも、書きたいことがどんどん出てきてしまい、止まらなくなってしまうのです。

 

わかっていながらも、まあこのブログは自分の日記であって本として出版するわけではないからいいか、と開き直って書いています。

 

しかし、省略というよりも割愛。ただ書くのではなく、推敲も大切。

 

以前のブログも時々読み直して、必要に応じて加筆修正を加えています。

 

そんな前知識を持って、象潟で下車。

 

駅には、小さな観光案内所と近隣マップがあったので、それを貰って荷物をコインロッカーに預けて、周辺を歩くことにしました。

 

次回に続く