元祖「最長片道切符の旅」

 

JRの乗車券は、重複しない限り片道の乗車券として発行してもらえます。

日本一遠回りする鉄道旅ともいえます。

 

その切符を使って、全国をこのルートに忠実に旅をした旅行記です。

 

私は、中学生の時にこの本に出会い、読書感想文を書くためにこの本を手に取りました。

といっても、当時の私は、本は好きでしたが、小説のような読書は非常に苦手で、まして読書感想文などというものはとにかくダメでした。

選ぶ本はなんでもよかったので、図書館で目についた本を借りてきて、ちょこっと拾い読みをして、適当に文字を埋めた記憶があります。

実家が千葉ということもあり、この切符の通過点の千葉県をぐるっとわまるところだけは、ちゃんと読みました。

当時から鉄道は好きだったのですが、当然中学生では、それほど鉄道に乗れず、北海道の○○線といっても実感がわきませんでした。

 

その後、高校生になってから本格的に鉄道旅をするようになり、宮脇俊三さんの本をいくつか読むようになり、気付けば全部読了ということになったのです。

 

しかし、この「最長片道切符の旅」上記の思い出もあり、読んだ気になっていたものの、実は全部を読み通していないことに社会人になってから気付いたのでした。

そこで、再読してみると。。。

 

当時はまだ国鉄でしたが、とにかく鉄道網が今とは比べ物にならないです。

北海道も今は廃線となってしまった天北線、湧網線、深名線等々があり、逆に首都圏はまだ京葉線や埼京線はなくスッキリ。

また九州の筑豊地区は、網の目のように線路があります。

現在は廃線となった広尾線の広尾駅から九州の指宿枕崎線の枕崎までの片道切符には圧巻です。

それに特筆すべきは、本州と四国を結ぶ連絡船は、宇高航路(宇野駅と高松駅間)と仁堀航路(呉線仁方駅と予讃(本)線堀江駅間)の2航路があったので、四国もぐるっと周ることができたのです。それから登場する車両も(今から思えば)懐かしい車両の数々。

 

この行程は10月から12月に日本を北から南へ向かってということもあり、ずっと日本の秋を見ながら周遊したということも印象的です。

昭和の日本の気候は、四季がはっきりしていましたが、最近は、夏が長くなっていつまでも暑く、その後一気に寒くなって冬ということが多くなりました。一番過ごしやすい春と秋が短くなってしまったことが、残念でなりません。

そういった昭和の日本の秋を車窓から語ってくれることに感銘を受けました。

 

さて、この最長片道切符。

やはり、鉄道ファンにとって夢の一つですよね。

切符を買うことはできるけれども、これを実行するとなると、長期の休暇を取らなければならず、体力も必要だし、宿泊等の財力も必要。

いつかはやってみたいという(B級の?)夢の紀行とも言えます。

 

それでも、以前に関口知宏さんがこれに挑戦されてNHKBSで放送されていて楽しく観ました。

この中で一番印象的なのが途中で歯が痛くなって予定を変更して歯医者に行ったこと。

上記の宮脇俊三氏も途中で風邪で一旦中断し数日自宅で療養、というのもありました。

ただ乗るだけとはいえ、移り変わる車窓とともに東西南北に行ったり来たりを繰り返すので気温差も大きいでしょうし、体力も必要でしょうね。

 

最近では、旅系youtuberののSAORI(アンドロイドのお姉さん)さんが、これに挑戦した記録をアップされていて、まとまった休みが取れない私としては、いいなあ!!!と思わずにはいられません。

ただ、saoriさんのように若い女性でもこういったコアな鉄道旅をするようになったと思うと鉄道旅も市民権を得たなあと隔世の感があります。


現在の最長片道切符の行程は、諸説ありますが、稚内駅から新大村駅らしいです。

 

今は、すぐにはいけませんが、お金を貯めて、時間に余裕ができたら必ず実行したいと思います。

 

まずは、宮脇俊三氏のこの本と「散歩するアンドロイド」さんの動画もおススメです。