黄砂によるアレルギー、肺の病気、心臓病 | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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◆黄砂に吹かれて

 黄砂に吹かれて聞こえる歌は 
 忘れたくて忘れた 
 なくしたくてなくした 
 つらい恋の歌


知る人ぞ知る『黄砂に吹かれて』の歌い出しです。
中島みゆきさん作詞、工藤静香さんの歌で日本中に響き渡りました。

歌詞からすると失恋の歌でしょう。

「あなたより やさしい男も 砂の数より いるのにね」

男は砂の数ほどいる。
もう、忘れよう。
というメッセージでしょう。

この名曲の影響か、「黄砂」はロマンチックな印象を受けますが、

実際はどうでしょうか。

◆黄砂の健康被害

黄砂はユーラシア大陸の砂漠で吹き上げられた砂が、

主に春に、風に乗って東アジアに降り注ぐ現象を言います。
黄砂の実態はなんでしょうか。

黄砂の多くは細かい砂ですが、

重金属やカーボン(炭素)、カビ、細菌、ウイルス、花粉など、

有害な物質を含んでいると言われています。


日本に飛来する黄砂は非常に小さな粒子で、

気道の奥深くに到達する可能性があります。

黄砂による次の健康被害が報告されています。

〔アレルギー〕
目のかゆみ、鼻水、くしゃみ、せき、のどの痛み、皮膚炎
黄砂とスギ花粉の同時曝露で、症状が悪化する

〔肺の病気〕
喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の悪化

〔心臓や脳の病気〕
心筋梗塞や脳梗塞の増加


◆黄砂対策

黄砂から体を守る対策がいくつかあります。

・黄砂がたくさん飛ぶ日は、なるべく外出を避ける。
・外出時にはマスクをつける。
・窓を開けない。
・洗濯物を外に干さない。
・黄砂やPM2.5を捕集できる空気清浄機を使う。


「PM2.5」と聞くと、「健康に悪いもの」と思いますが、

「黄砂」はそれほど悪い印象がありません。
工藤静香さんの影響でしょうか。(工藤さん、ゴメンナサイ)

 

しかし、PM2.5は直径2.5μm以下の粒子の総称ですので、

黄砂も直径2.5μm以下のものは、「PM2.5」そのものです。

黄砂は3月4月にピークを迎えます。
やさしい男も砂の数ほどいるでしょうが、

黄砂で健康被害受ける人も砂の数ほどでしょう。
しっかり対策を立てたいものです。