50歳すぎたら「お金」「地位」「名声」を犠牲に「健康」を守ろう | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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◆ど根性は美談?

「苦しくなってからが本当の練習だ」

 

スポーツの世界では、「つらいから練習をやめる」という姿勢では、

とても上は目指せません。
 

「思いこんだら試練の道を 行くが男のど根性」

「ど根性は美談」でしょうが、時と場合によります。

ことに、50歳すぎてのど根性は、健康を害することがあります。

◆「過労死」は英語圏にない言葉

「サムライ魂は、副腎疲労そのものだ」
 

副腎疲労研究の第一人者、アメリカ人医師のジェームズ・L・ウィルソン博士は言います。
「勤勉でまじめ」

「自分よりも他人を優先」

「オーバーワークを黙々こなす」

「弱音を吐かない」

そんな人は副腎疲労になるぞと警鐘したいのでしょう。
 

過労死という言葉は英語圏になかったため、

「karoshi」という単語が生まれました。
日本人は健康よりも仕事を優先する民族かもしれません。


◆50歳すぎたら

中学生や高校生に、「無理するな」のメッセージはお門違いでしょう。
頑張らなければ思い描く未来は作れないからです。
大学生や社会人も、ある程度は無理しないと成功できません。

分岐点は50歳ではないでしょうか。

50歳をすぎると、お金や財産、地位や名誉よりも

健康を優先して無理しないことが重要でしょう。
 

「自分がいないと仕事が回らない」
と思いこんで、仕事を背負い過ぎる人が、日本では珍しくありません。

会社のキーパーソンの訃報を見聞きしたことはありませんか。
その後、会社はつぶれたかというと、多くの場合、つつがなく回っています。
ナンバーワンがいなくなったらナンバー2がナンバーワンになるだけの話です。

特に、今まで健康を犠牲にお金、地位、業績を求めてきた人は、

50歳をすぎたら、お金や地位、名声を犠牲に健康を守りましょう。

参考文献
1)本間良子、本間龍介:『しつこい疲れを引き起こす 副腎疲労は自分で治す!』,祥伝社,2021