足の裏のメラノーマは、虫めがねで分かる | 健康は みんなのもの ~皮膚科医のブログ~

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極めて恐ろしい皮膚がん「メラノーマ」です。


メラノーマは足の裏にできることが多く、

ホクロかシミの見た目をしています。


切除して、顕微鏡で細胞を見なければメラノーマかどうかハッキリしないのですが、

切除しなくても、虫めがねで分かる方法があります

手を見てください。
指には指紋がありますが、手のひらにも同様に指紋があります。
(手のひらなので「指紋」と言うかどうか分かりませんが)
足の裏にも同様の指紋があります。


 

指紋は波うっており、「盛り上がっている部分」と「溝の部分」があります。
「盛り上がって部分」の色が濃いのがメラノーマであり、

「溝の部分」が色濃いのが良性のホクロです。

 


写真は参考文献2のメラノーマです。

盛り上がっている部分の色が濃くなっています。


通常は、ゼリーをつけて、ダーモスコープというカメラで見るのですが、

水か油をつけて、虫眼鏡で見るか、スマホで取って、拡大しても何となく分かります



写真は、接写レンズで撮った私の足の裏のホクロです。
多くは「溝の部分」が濃くなっていますが、

一部は「盛り上がっている部分」が濃くなっています。


ちょっと不気味であり、これだけでは分からないため切除しました。
結果は良性のホクロでした。

1)上出康二,神人正寿:「足底の色素斑…メラノーマか?」,日本医事新報(4977): 1-2, 2019.
2)皆川茜:「メラノーマの検査・診断 ダーモスコピー 手掌足底・爪の色素性病変の鑑別」,日本臨牀 79(増刊号2): 193-198, 2021.