前記事を書いた後、

打ち水をしようと家の外へ出た。

ホースで水を撒きながら、思い出したことがある。


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2歳の時、私を置いて両親は

ハワイ旅行に行った。

その時の写真は、アルバムにあって

私もそれを見ているし、

だけど、それは

私が生まれる前の話だと思っていた。


実は、私はいわゆる「できちゃった」子だった。

それを知ったのは、私が結婚する時

謄本を取り寄せて、両親の入籍日が

思っていたのと違ったので

聞いてみたらそういうことだった。


2年間新婚生活を楽しんでから

私が生まれたことになっていたけど、

どうやら、新婚生活を楽しむ前に

私が生まれてしまったので、

新婚生活は、2年遅れたハワイ旅行と言うことに

なったらしい。


置いていかれた2歳の私は、

母の実家に預けられ、

叔母が面倒を見ていてくれたらしい。

そこで水遊びをする私の姿を収めた写真があるが

まさか、その時、両親が揃ってハワイにいようとは

思えないほど

はち切れんばかりの笑顔であった。


「全然泣かなかったらしいのよ」と

母は笑っていた。

どうやら私はその当時すでに

親への愛情を諦めていたらしい。

2歳という事で、私も全く記憶にないが、

その後も甘えたい、寂しいという感情を

親に対して抱いた事はない。


だけど、私が2歳の頃と言うと、 

面倒みてくれた叔母にも、赤ちゃんが

出てくるか来たか…くらいだったと思う。


よくやってくれたし、頼むほうも頼むほうだと思う。

そして、その事実を知ったのは

私もかなり大人になってからで、

幼子を置いて海外に遊びに行ける両親揃って

その愛情の薄さに心底呆れた。


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「自分の子よりあなたが可愛い」と

その叔母に言われた事がある。

まさかそんな、おだてられていると

思っていたけど、そんなことがあったなら

あながちまるっきり、嘘でもないんだなと

思った。


そんなことを思い出しながら

水を撒いているうちに、涙が出てきた。

何の涙かはわからない。

でも新しい私になるために

必要な涙だ、そう思った。


叔母に感謝の言葉を送りたいと思った。

でも突然そんなもの送ったら

どうしたんだと思われるからできない。


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心と記憶に蓋をして

見ないようにしていることが

きっとまだまだたくさんあるんだろう。

そして、それらはきっと

掘り起こされれば

また涙を流すようなものもあるだろう。


だから私は悩んできた。苦しかった。

「うまくいかない」と思い続けてきた。


独りよがりの殻が分厚くて

人に頼ることができなくて


打たれ弱くて

人がこわくて



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今日はここまで。



ではまた。