東洋医学とは違いますが。生理周期は月のリズムの29.5日と同じと云われています。日本語でも“月経”という呼び名もあり、英語のメンスもラテン語の月を語源としています。
お産に関しても、満月や新月の影響を受けるというのは本当で、生理周期を整えるにはなるべく自然と同調して暮らすことなんじゃないかと感じています。
東洋医学っぽく云うと、陽の時期(=昼、春夏)はしっかり動き、陰の時期(=夜、秋冬)は大人しくする。ということ。女性は内の作業、男性は外の作業をという捉え方もできますね。
女性が暗くなるまで外(社会)で働くというのは、自然とはかけ離れているんじゃないのかな。と、日々診療のなかで感じています。社会的な良し悪しは別にして。
さて。前置きが長くなってしまいましたが、生理周期の東洋医学的な解説に移ります。
早い(または遅い)でも経血の色や状態によっては別の体質を示します。普段経血を観察していない方は次の生理の時にはちょっと気にしてみて下さいね。
ちなみに、経血についてはまた別の機会に詳しく触れますが、月経開始時は赤黒く、次第に赤になり、サラサラしているのが基本です。
早経(25日未満)
①実熱(経血:鮮紅色)
熱が多くて血が溢れてしまう。イメージとしては鍋いっぱいのお湯が沸騰して溢れる感じ。
②陰虚 (赤黒色。粘性あり)
血のなかの陰分(水)が足りず熱のため早まる。経血は少なめで色が濃く、ドロッとしている。
③気虚 (淡色)
パワー不足で、血を体に留めておけずに早めに出してしまう。腕の筋力が弱く、手にした器に液体が満タンになる前にこぼしてしまうイメージです。パワーがあれば器(子宮)が満タンになるまで血を貯めることができます。
経遅(36日以上)
①瘀血(赤黒色。血塊あり)
血の流れが悪く、周期が遅くなる。冷えが原因となることも多く、レバーのような血塊が出やすい。
②血虚 (淡色)
血が少なく子宮に血が貯まるまでに時間がかかるため、遅れる。一定の量の血が貯まらないと生理は来ません。産後、出産や授乳でしばらく生理が止まっているのは、一時的な血虚です。
経乱
気の流れが早かったり遅かったりするため、生理が早く来たり遅く来たり、周期ごとに変わる。不摂生、ストレスなど。
特に早経は出血の頻度が多くなるため、体力を消耗し疲れやすくなります。卵巣の働きが落ち、卵子が十分に育たないまま排卵してしまい、当然閉経も早くなる。なので1日でも周期を長くするよう、養生が必要です。
実熱、陰虚はストレスの原因を取り除き、身体を潤し、熱を落ち着かせる“陰”を増やすためには早寝が大切。気虚と血虚は食事と睡眠で気を補う必要があります。
瘀血は冷えの改善、経乱は働きすぎ、ストレス、生活習慣の乱れなど原因を取り除くことが第一です。
年齢とともに体質が陰虚に傾いてくるため、40歳前後から早経になり、その後は経遅、経乱を経て閉経に向かうことが多いです。
と云っても、なるべく安定して生理が来る方が身体は楽なので、周期を整える努力をしてほしいと思います。
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