Bad Mother hugs Good Baby ~ポンコツママとお利口さんの育児日記~ -5ページ目

Bad Mother hugs Good Baby ~ポンコツママとお利口さんの育児日記~

2016年6月下旬に第一子出産し、想像以上の大変さに心が折れそうなダメママです。30代前半、早期に職場復帰も考えていますが、どうなることやら…。

 ついに産まれたでっぷりとした女の子。

 病室に戻ってからも、しばらく乳房から口を離さなかった子。

 喜び反面、思わず、「手足はちゃんとあるか、ちゃんと音に反応するか」などと心配になってしまった両親をよそに、寝たいときに眠り、飲みたいときに大声で泣く子。

 

 まだ、実感がわかない。

 

 昔、「アリーマイラブ」という海外ドラマで、詳細は忘れたが、登場人物の一人が

「我が子が産まれると、自分の中から次から次へと無限に湧いてくる愛情に驚く」と言ったシーンだけ、鮮明に覚えている。

 

 しかし、まだ、この気持ちが愛情なのかわからなかった。疲れていた。

 確かに可愛い。だって私と夫の赤ちゃんだ。

 ただ、「愛さなくては」という責任感が勝っている気がする。

 

 夫も帰り、暗くなった病室で、ずきずきと痛む股間に怠く汗ばんだ体。

 隣には産まれたばかりの赤ちゃん。

 

 看護師さんの付き添いで行ったトイレでは、立ちくらみがあった。出産である程度出血していたから貧血は当然。「大丈夫」と思った。水分をとにかく摂らなくては、とたくさん水を飲んだ。

 

 不安があった。でも、大丈夫。みんな通った道。何千年も、何万年も前から、何億人ものお母さんが、この不安な夜を乗り切った。だから私も大丈夫。

 

 あまり眠れないまま朝が来た。

 朝食のため、体を起こすとふらついた。

食事が摂れなくなったら終わりだ、とどこかで聞いたことがある。

食事だけは全部食べる、と決めて、左手で体を支えながら全部食べた。

 

 そのあと、様子を見に来た看護師さんに声をかけられ、体を起こしたところで、股からドバっと何か出た。

 「あれ…尿じゃないですね。出血ですね」

 

 弛緩出血だった。長引いたお産が原因で子宮がヘロヘロになっていたらしい。

つくづく、ポンコツな母親だ。

1500mlくらい出血し、ベッド上安静になった。尿カテーテルとおむつの生活だったが、恥ずかしさを感じる余裕もなく、早く回復したいとの気持ちしかなかった。

 

 夫も、母親も、病院のスタッフもみんな味方だった。

 

 貧血で母乳があまり出ない。血が出るほど乳を吸われ、痛くて涙が出た。でも、それは、赤ちゃんがそれだけ空腹だということだ。お腹がすいていて、一生懸命吸っているのに、お母さんのおっぱいからお乳が出ないと号泣する。

 赤ちゃんは何も悪くない、100点満点以上の頑張り。

 でも、お母さんがポンコツだ。

 

 吸いつかれて寝てしまった赤ちゃんを横目に、前述のセリフが何度も頭をよぎった。

 

『我が子が産まれると、自分の中から次から次へと無限に湧いてくる愛情に驚く』

 

 無尽蔵の愛情、私の中からも湧いてくるのだろうか。

 私は、この子をちゃんと愛せるのだろうか?

 早く、夜が明けてほしい。時間がたってほしい。体が回復してほしい。

 そうすれば、このセリフが正しいことを、身をもって体感できるに違いない。

 

 夢を見たが、内容は覚えていない。赤ちゃんも病院も出てこない、何も現実味のなかった夢であったことだけは覚えている。