※JWPオフィシャルより転載

◆7月27日(日)名古屋・クラブダイアモ ンドホール (13時開始)

第1試合 20分1本勝負 藤ヶ崎矢子&林結愛 VS 新田猫子&235

4月20日の後楽園ホール大会でデビューし 、早いも のでレスラー生活が3ヵ月となっ た林結愛。JWPの プロレス教室に6年間 も通っていただけあって、その 素質の片鱗 を見せつけている。そして、林のデビュー 戦の相手を務めた藤ヶ崎矢子は、その試合 も含めて林 に対してシングルマッチで3連 敗中。今、矢子が最も 倒したい相手が後輩 である林とだろう。しかし、今回 は両者が タッグを組んでアイスリボンから乗り込ん で くる新田猫子&235と対戦する。これ まで、6人タ ッグでライディーン鋼を交え て組んだ経験はあるもの の、林と矢子が2 人でタッグを結成するのは初めて。 昔から 、プロレス界ではライバル関係にある2人 がタ ッグを組む場合、相乗効果で思わぬ成 功をもたらすこ ともあれば、感情だけは先 走ってしまってお互いに力 を発揮できない で終わってしまうケースもある。矢子 と林 はまだライバル関係がスタートした
ばかり 。それ だけに、暴走してしまう恐れは少な いと思われるが、 やはり初タッグだけに連 係が心配される。ただし、今
回は他団体選 手の新田と235が相手となるだけに、 J WPの威信を懸けて戦わなければならない 。特に、 新田はアイスリボンの最高峰であ るICE×∞王者の 藤本つかさに挑戦して 善戦している。また、235は 矢子とデビ ューも近い選手だけに、意識していかなけ ればいけない存在でもある。JWPのフレ ッシュコン ビが、アイスリボン勢にどのよ うな気持ちで向かって いくかが重要となり そうだ。

第2試合 ミクスドマッチ 20分1本勝負 中森華子&青柳政司 VS KAZUKI&男盛

現在は中部地区を拠点として活動している 青柳政司 。1990年代前半には、新日本プロ レスで越中詩郎と 反選手会同盟を結成し、 平成維新軍として暴れていた ことを記憶し ているオールドファンもいるかと思われ る 。その青柳と中森華子が組み、KAZUK I&男盛 とミクスドマッチを行なうことに なった。ちなみに、 男盛は一方的に阿部幸 江のこと心のライバルとして捉 えていると のこと。阿部にとって最後の名古屋大会と なるだけに、大いに張り切って臨んでくる ことが予想 される。そんな男盛だが、コス チュームは褌一枚とい うスタイル。となる と、やはり気になるのはKAZU KIの存 在だ。こうしたキャラクターの選手に対し て 、臆するどころか興味を抱いてしまうの がKAZUK I。さらに、悪ふざけが過ぎ た場合、最も被害に遭う ことになるのが中 森ということになる。恐らく、こう した展 開が予想される中にあって、青柳が
中森を 守り 、KAZUKIにお灸をすえることが できるのかが見 どころか。そして、正統派 女子プロレスラーとして、
中森がKAZU KI&男盛を裁き切れるのかも注目だ 。

第3試合 30分1本勝負 コマンドボリショイ&春山香代子 VS ライデ ィーン鋼&KAORU

8月17日の後楽園ホール大会で、木村響子 と保持す るJWP認定タッグ&デイリース ポーツ認定女子タッ グ王座の防衛戦を行う ことが決まっているコマンド ボリショイ。 その対戦相手がKAORU&下田美馬に 決 まった。ことの発端は、ボリショイがコマ ンドとし てのデビュー23周年記念試合でK AORUと対戦した こと。6月29日の花や しき大会で激突するも、ボリシ ョイはKA ORUに敗れてしまった。試合後、記念試 合として臨んでいたことを明かしたKAO RUは、「 根がヒールなんで、次に対戦す るときはヒールで」と 予告。そこで、王者 としてのプライドを懸け、ボリシ ョイはタ ッグ2冠王座の挑戦者にKAORUを指名 し 、パートナーについては、KAORUに 一任した。大 一番を1ヵ月後に控え、名古 屋の地で前哨戦が決定。 ボリショイは春山 香代子と組み、KAORUはライデ ィーン 鋼とタッグを結成する
。もちろん、ボリシ ョイ と春山はJWP最古参タッグであるこ とから、連係に ついては何ら問題ない。今 回ばかりは、鋼と組むこと
になるKAOR Uにとっては分が悪い戦いになる。と はい え、KAORUからすればコンビなどは気 にしないとかもしれない。というのも、予 告通りに今度はヒ ールとしてのKAORU で登場してくる可能性が強い ため。そこで 、下手にアクが強い選手と組むよりは、 勝 手に暴れることができるということが最優 先であり 、ボリショイだけに狙いを定めて くることも予想され る。ただし、春山とK AORUという組み合わせも滅 多に見るこ とができないものであり、本格派ヒールと 組む鋼の動向も気になるところ。とはいえ 、2冠タッ グ防衛戦に向けて、ヒールのK AORUがJWPでベ ールを脱ぐことにな るだけに、どんなファイトをボリ ショイに 仕掛けてくるのか注目される。

第4試合 30分1本勝負 Leon VS ラビット美兎

7月13日の板橋グリーンホール大会で、D ASH・ チサコを下して3度目の防衛に成 功したJWP認定無 差別級王者の中島安里 紗が、次期挑戦者としてJWP 所属選手と いう条件を掲げたことで、混沌としてきた 挑戦者争い。その翌週となる7月20日の板 橋グリーン ホール大会では早速、中島&華 名VSLeon&ラビ ット美兎が組まれたと ころ、中島がLeonを変形ラ ・マヒスト ラルで丸め込んでフォール勝ち。王座返り 咲きに向けて勢いをつけたかったLeon は、いきな り窮地に立たされることになっ た。仕切り直しとして 、今回はラビットと 一騎打ち。ここで調子を取り戻し 、もう一 度、挑戦者戦線に舞い戻りたいところだ。 一 方、最大のライバルで同期の絆も深かっ た勝愛実の引 退を受け、先輩超えの戦いに 挑み始めることが予想さ れるラビット。も ちろん、目指すは中島が持つベルト 。そこ に辿り着くためには、多くの先
輩選手から 勝利 を奪うことが大前提となってくる。そ のため、このL eon戦というのは、ラビ ットにとっても望むところ 。
速さ、巧さ、 スタミナなど、まだまだLeonが圧 倒的 に勝っているものの、ラビットには付け入 る隙が ある。実は、Leonは同期の米山 香織に対して、あ まりいい成績を残してい ない。もちろん、勝つときに は強い勝ち方 をしてきたものの、焦りが出てしまった 際 には、不意の丸め込みに敗れるケースが多 々あった 。米山の遺伝子を継いでいるラビ ットからすれば、そ うした過去の試合を研 究することによって、Leon に対抗する ことも可能となる。ラビットの意外性が、 盤石のLeonを崩すことができるのか要 注目だ。

第5試合 阿部幸江引退ロード 30分1本勝負 阿部幸江 VS 中島安里紗

8月17日の後楽園ホール大会での引退まで 1ヵ月を 切った阿部幸江。今回は最後の名 古屋大会で、現JW P認定無差別級王者の 中島安里紗とノンタイトル戦で 一騎打ちを 行なう。阿部と中島の出会いは、まだ阿部 がAtoZに在籍していた当時、中島が練 習生として 入門してきたことから始まる。 その頃、主力選手の退 団が相次いでいたA toZにとって、中島のような若 い新人は 金の卵だった。しかし、まだ10代半ばで社 会 を知らない中島は、AtoZの先輩にと っては手がか かる少女でしかなかった。7 月13日の板橋グリーンホ ール大会で、阿部 と引退ロードで対戦した堀田祐美子 も、中 島の新人時代を述懐してこう話した。「練 習中 に中島がいなくなってトイレにこもる と、阿部が迎え に行くけれども、なぜか阿 部が泣きながら帰ってきて 謝ってきた」と 。そして、中島との初シングルが決ま った 阿部も、「私が一番手
を焼いた後輩。入門 して来 た時は本当に何もできなくて、文字 通り今までで一番 、手を焼いた子でした」 とコメントを出している。確
かに、デビュ ーにはこぎつけた中島だったが、その試 合 で今の中島を想像できた人は一人もいなか ったはず 。それは、団体側がデビューを急がせたあ まり、準備 も整わないまま試合に至ったた めではあるが、教育係 であった阿部として も責任を感じたに違いない。その 後、阿部 と中島はAtoZ崩壊後、Hysteri c BabeとしてJWPに参戦。2人同時 に入団するこ とになった。この頃になると 、阿部も中島の面倒をみ ることから解放さ れ、本に曰く「距離を置くようにな った」 という。ところが、JWP入団後から眠っ てい た素質が開花したのか、中島が急成長 。一気にジュニ ア世代のトップ選手に躍り 出た。しかし、またもや中 島が阿部を悩ま す。JWPを突然退団し、勝手に引退 を決 めてしまった。もちろん、今度は阿部に責 任がの しかかったわけではないが、阿部の 胸中は察すること ができる。そんな中島が 、3
年のブランクを経てJW Pに復帰。今 や、団体を背負うエースにまで上り詰め た 。それを誰よりも喜んでいるのが阿部だろ う
。「あ の手を焼いた子が今は……」と、 まるで親のような気 持ちといってもいいか もしれない。これ以上にも、阿 部と中島に まつわる話はいくらでもあるだろうが、と にもかくにも、これが最後のシングルマッ チ。もしも 、JWP認定無差別級選手権と して行なわれるのであ れば、中島が受けて 立つことになるが、きっと今回は 新人だっ た中島が、最もお世話になり、恩を受けた 阿 部に向かっていくような試合となること が予想される 。それは、2人にしか分から ない時空を超えた試合に なるということ。 金の卵を泣きながら温めていた阿部 にとっ ては、その成長を本当の意味で実感するこ とが できる一戦となりそうだ。