ひとりの学生さんが、お休みが続いていた。
会えた時に
「どう?大丈夫?」と聞いたとたんに、悩みごとが溢れてきた。
専門性のある学校に来て、頑張っても成果が出せない。
大学に行った友人たちは、楽しそうにしていて、取り残された思いがする。
今、心を分かち合える友人がいない。
何もかも思うようになってない。
どうしたらいいかわからない…
それで、朝起きる気力が出なくなっているという、切ない、切実な、若者の悩みだった。
もうとにかく、
「頑張らなくて良いときもあるよ」と言ってしまった。
すごく頑張ってるのに、もっと頑張らなきゃと思うのは、しんどいにきまってる。
まず、今、あなたは充分にがんばれてるよと、言ってあげたかった。
そのとたんに、その人は涙を流しはしめた…
それで、少し、話した。
次男が何年も寝たきりだった時は、友だちはいないも同然だった。
学校も行けない。
友だちもいない。
この人はいったいどうなるんだろうと思った。
でも、道を見つけると、身体も回復していった。
自然に、志を同じくする人が集まってきた。
そんなふうに、今は何にもできないと思っても、必ずまた力が湧いてくる時がある。
その時にまた、友は得られるし、世界が広がる。
休んで、自分を大事にする時間も、あっていいんだと伝えたかった。
その人は半分泣きながら、びっくりして、話を聞いていた。
人生を深く悩む人は、尊い。
友だちとワイワイ過ごしているだけの人とは、違う世界がある。
人はそれぞれの人生がある。
そのことを少しでも伝えたかった。