こんにちは!今週のブログは田中と宇治川が担当します。

 

今回は Alice Hong 教授の講演会に参加させていただきました。

Hong 先生は台湾にある Fu Jen Catholic University の教授で、現在は南山大学で留学生に日本文化を教えています。アメリカのウィスコンシン大学マディソン校からマスコミュニケーションの博士号を取得されています。

そんな Hong 先生から今回日本とアメリカの広告の違いについて教えていただきました。

いくつかの違いがありましたが、特に印象に残っていることを四点紹介したいと思います。

 

まず、日本の広告には可愛い要素が含まれているということです。例えば車の広告では、アメリカではカッコよく性能を伝えているのに対して、日本では小さな子供を連れた家族が車でピクニックに行く様子でアピールしています。また、パペット人形などを使って、ユーモアに宣伝することもあります。このように、日本の広告には心温まる内容のものが多く、アメリカとは異なる形で広告を作っています。

 

二つ目に、日本の広告はアメリカのものと比べて保守的であるということです。日本では美しい自然や祭り、着物などの日本文化を利用した広告が多く、日本人に馴染みがあり安心感を覚えるような気がします。一方アメリカでは、チャレンジ精神が示されており、新しいことをしようと促している内容が多いです。このように、広告には保守的な日本と挑戦的なアメリカとで違いが顕著に現れています。

 

三つ目に、日本の広告はアメリカの広告に比べて競合会社に対する対抗的なメッセージを含むことがあまり理想的ではないという点です。アメリカではペプシが、ハロウィンの時期にペプシの缶がコカ・コーラのロゴが記載されたマントをまとっているイメージ広告を打ち出しました。その広告には“We wish you a scary Halloween!” (恐ろしいハロウィンが訪れますように!)と記載されていました。これはコカ・コーラをドラキュラがまとうマントのような、「悪」のイメージを彷彿させようとしたものだと考えられます。しかし、これに対してコカ・コーラは同じイメージ画像を使用して、”Everyone wants to be a hero!” (皆がヒーロになりたいのだ!)とペプシの挑発に反発しました。コカ・コーラは、ペプシとは真逆に皆が憧れるヒーローがまとっているマントのイメージを「」。このようにアメリカでは自社広告に他社の商品を載せることが頻繁にありますが、日本ではそのような広告は滅多に見かけません。

 

最後に、日本には人間関係を重視した広告が多く、それに対しアメリカの広告はより論理的で科学的であるという点です。このような傾向にある主な原因として、日本はハイコンテクストな社会、アメリカはローコンテクストな社会と見なされているからです。それゆえ、日本の広告は見る人の心に刺さり、共感を促すようなテーマが多い中、アメリカの広告は売り出す商品の特徴や情報が中心に描かれています。そのため、アメリカの広告はどこの国の人が見ても理解しやすいが、日本の広告は文化を全く知らない人が見ても、その広告が意図したいメッセージが伝わらない可能性があります。また、日本の多くの広告が15秒である点が、より受け取り手の理解を難しくしていると言えます。

 

このように、普段何気なく見ている広告ですが、国によって内容が異なり文化の違いを表しています。今回は特殊な授業でしたが、貴重なお話が聞けてとても興味深かったです。次回のゼミはゴールデンウィーク明けですが、元気に頑張りましょう!