こんにちは!今週のブログは板津と鬼頭が担当します。

 

授業の前半では3つの英字新聞を話し合いました。

 

最初は、鬼頭さんが選んでくれた、イギリスにおける週4日勤務(週休3日)に関する記事について議論しました。

サウス・ケンブリッジシャー管区議会で、週4日制が試行されました。職員は、これまでと比べて80%の勤務時間で100%の仕事をし、100%の給与が支払われます。週4日制はイギリスの60以上の企業で試行され、そのうち約86%の企業はこの制度を高く評価しました。施行の結果、生産性の向上や、職員の病欠や離職の減少、経費の節減が実現したそうです。しかし、政府や保守派の議員らは、納税額に見合ったサービスを提供できなくなるなどの理由で制度を批判し、中止を求めました。

まず、週4日制のメリットとデメリットを挙げました。メリットとしては、ワークライフバランスが向上し、自分の趣味や家族との時間が増えるため、健康や幸福度の向上、仕事へのモチベーションにつながるなどがありました。デメリットとしては、1日当たりの仕事量が増えるため、むしろストレスや疲労につながったり、顧客へのサービスの質が悪化したりする可能性があることなどが挙げられました。

次に、週4日制に賛成か反対かを話し合いました。結果として、賛成派が多数でした。理由としては、集中して仕事に取り組めたり、ストレスが軽減されたりするので生産性が向上するだろうということや、休日にスキルアップの機会を得ることができることなどがありました。父親が仕事で母親が家事、と役割を分担するというよりも、共に働きながら家事もする時代になってきています。そのため、週4日制は広がりつつあります。週4日制を導入する場合、全職員を対象にした方が良いか、希望した職員のみを対象にした方が良いかという話題にもなりました。

 

次に、松元さんが選んでくれた、誇大広告に関する記事について議論しました。

アメリカのバーガーキングの誇大広告に対して、顧客が集団訴訟を起こしました。バーガーキングは以前、広告における「写真とまったく同じ」ハンバーガーを提供する義務はないと主張し、今回の件に関してはお店で提供しているものと同じものを広告にも使用していると述べています。一方で、顧客は見栄えの良い広告の中の商品と比較して実物に不満の声を上げているようです。フードスタイリングを専門とする企業「アスティア」のエイミー・ウォードル代表によると、食品の広告写真に関しては、実際に入っていない食材を含めてはならないという大まかなルールがある一方で「操作」の余地は残されているのだそうです。もちろん偽物を使用することはないですが、撮影用にある程度見栄えが良くなるよう工夫して食材を選んでいるとし、彼女も原告側の意見に同意しています。マーク・バーソロミュー教授によると、画像が商品の不当表示にあたらない限り、こうした技術の駆使を禁じる特別な規定はアメリカにはないのだそうです。また、誤解を招くとされる画像をめぐる訴訟で、原告が勝利したケースはほとんどないそうです。

まず、原告側(顧客側)と被告側(バーガーキング側)、どちらを支持するか話し合いました。ここでは、被告側を支持する生徒が多く、被害者の気持ちは理解できるが、商品が誇張されるのは常識と捉えるべき、広告で商品の見映えをよくすることはマーケティング戦略の一つであるといった意見が出ました。一方で、広告と実際の商品が大きく違うと、客も失望してしまうといった、原告側を支持する意見もありました。

次に、広告における技術に対して特別な規定が必要かどうか、また規定が必要な場合は、どのような規定が必要か話し合いました。ここでは、特別な規定は必要ないという意見が多く、商品が誇張されるのは普通である、従来の「商品は写真のイメージと異なります」といった文言だけで十分だという理由が挙げられました。一方で、今回のような顧客とのトラブルを防ぐためにも規定が必要だという声もあり、広告を出す際には第三者機関の審査を受ける、そして審査に通ったことを広告に記載するのを義務づけるべきという意見が出ました。

 

最後に、齋藤さんが選んでくれた、トコジラミに関する記事について議論しました。

現在フランスではトコジラミが急増していると言われています。フランスの高速列車や地下鉄の中、空港などあらゆる場所で目撃されており、来年に控えているパリオリンピックへの懸念も高まっています。今年初めのフランス政府機関ANSESの報告書によると、2017年から2022年の間で貧富の差関係なくフランスの11%の家庭でトコジラミが発見されおり、急増の原因として、旅行客の急増とトコジラミの殺虫剤に対する耐性の高まったことなどがあげられています。これらのことを受け、パリのグレゴワール副市長は、ボルヌ首相に「公共衛生問題」として、対策会議開催の要求や行動計画を求める手紙を送りました。また、ボーヌ運送大臣は運輸業者を集め、旅行者を助けるための情報を提供すると述べています。

まず、パリオリンピック開催に向けて、フランスには今後どのような対応が求められるか話し合いました。ここでは、医療ケアを充実させる、トコジラミに関する情報を国民だけでなく、オリンピック参加者や観客に事前に知らせる、ホテルや公共交通機関など、オリンピックで頻繫に利用される場所を重点的に駆除するといった意見が出ました。

次に、拡大の恐れがある日本において、どのような対策をとるべきかについて話し合いました。ここでは、政府がトコジラミに関する情報を集めて国民に共有すべき、旅行の後にトコジラミを持ち込まないという対策を自分でとるべきだという意見が出ました。

 

授業の後半では卒論経過報告を行いました。

 

佐藤さんは、アメリカンドリームの観点からブコウスキーとフィッツジェラルドの文学作品を比較分析しました。2つの作品の大きな違いとして、アメリカンドリームを実現して成功した後の華々しい生活に焦点を当てているか、アメリカンドリームの裏の側面に焦点を当てているかという点や、表現の仕方があったそうです。アメリカンドリームに対していろいろな見方があることを改めて知ることができました。また、参考文献や引用の書き方について、花木先生から教えていただきました。

 

真野さんは、アメリカの銃規制や、銃規制の是非をめぐる議論について論文を執筆しています。SNSには多様な意見があり、賛成と反対に分けることはできるものの、賛成派にも銃と共存する糸口を見つけようとしている人や、反対意見でも銃に対して何かしらの対策が必要だと考えているものがあったそうです。既に銃が広く普及したアメリカ社会で、銃をどのように扱うべきかという問題は、非常に難しいです。Xでの意見を探したり取り上げたりするのは大変だったと思いますが、うまくまとまっていてとても読みやすい論文でした。

 

大蔵さんは、ポリティカルコレクトネスについての論文を執筆しています。ポリティカルコレクトネスをめぐる様々な事例が、丁寧にまとめられていました。そして、その事例を読んで、ポリティカルコレクトネスというものが、本当に世界をより良くするものなのか、それが進むことにより何か他の犠牲が生まれてしまうのではないかと、とても考えさせられました。パラグラフも上手く構成され、かつ単語や文章も簡潔に分かりやすく書かれており、とても読みやすい論文でした。

 

早いもので、二年間続けた英字新聞も残すところあと一回になりました!

次回は卒業アルバムの写真撮影もあるので、体調管理に気をつけて全員集まれるといいですね!