こんにちは、花木ゼミです!ついに3年生最後のQ4が始まりました!時間が過ぎるのは早いですね(^-^;
 


まず始めに英字記事2つを加藤が担当します。
 
1つ目の記事は、アメリカの禁書運動についてです。
 
2021年から2023年にかけて、アメリカの公立学校や図書館から“子どもにとって不適切な本”が次々と撤去されています。特に、禁書に指定された本の内容は、登場人物がLGBTQまたは有色人種であるもの・性的な内容や人種問題を含むものが大部分でした。アメリカの非営利団体ペン・アメリカが発表した報告書によると、2022年7月から2023年6月までの一年間で、1,557冊の本が規制対象になったそうです。
 
これを受けまず、私たちが子どもの保護者である場合、公立学校や図書館でLGBTQを内容に含む本が規制されることの賛否について議論しました。
 
部分的に賛成の意見としては、本が持つ影響力が挙げられていました。本から得る情報は子供たちに大きな影響を与えるため、そのような内容の本を禁止にしてもよいというものでした。一方で、反対意見としては、禁書が教育の妨げになることや世界の共通認識に幼少期から触れておくべきだというものがありました。ただし、ネガティブな情報や子供に差別意識を掻き立てる内容を含むものは禁止にするべきであるという意見もありました。
 
また、禁書運動が起こる要因についても議論しました。親の行き過ぎた子どもたちへの過保護が要因であるとする意見やその国が取り巻く宗教・伝統・社会的な価値観が要因であるという意見が挙げられました。
 
 
2つ目の記事は、イギリス政府が不法移民をルワンダに移送する計画をイギリス最高裁が違法とした事柄についてでした。
 
難民申請をするためにイギリスにたどり着いた不法移民を、東アフリカのルワンダに移送するイギリス政府の計画をイギリス最高裁が違法判決としました。この計画は、ジョンソン前政権がフランスから英仏海峡をボートで渡るなどして英南部沿岸から不法入国した者を国内に滞在させず、直ちに母国または「安全な第三国」に移送するとしたものです。第三国にはルワンダを選定し、移民の受け入れと引き換えに経済発展支援として1億2千万ポンドをイギリス政府はすでに投資していました。これを踏まえて、ディスカッションではイギリスとルワンダの両国民であった場合にこの計画についての賛否を討議しました。
 
イギリス国民である場合は賛成意見が多く、ルワンダ国民である場合は反対意見が多くなりました。前者の理由としては、移民に自身の仕事が奪われることがないことや税金が移民のために使われることがないというものでした。一方で、後者の理由としては、移民を受け入れる体制が十分に整っていないことやその支援金では移民体制を整えるには不十分であるといったものがありました。

 

 

続いて、汲田が担当します。

 

3つ目の記事は、オハイオ州における中絶の権利をめぐる住民投票に関するものでした。


アメリカの連邦最高裁は、昨年ロー対ウェイド対決にて、それまで女性の権利としての中絶を憲法で認めるとしていたロー対ロー判決の結果を覆したことを受け、中絶を禁止するかどうかの判断をそれぞれの州に委ねることにしました。昨年9月までに11の州が中絶を禁止したものの、オハイオ州では、人工妊娠中絶の権利を州憲法に明記する案をめぐり、住民投票にて賛成が過半数に上りました。中絶はアメリカ社会を二分するような問題であり、産む/産まないを女性の選択に任せるべきとする擁護派と、胎児にも命があると訴えるキリスト教福音派などの反対派の間で論争が続いています。


そこで、住んでいる州で禁止されても、お金や時間をかけて中絶の認められている州まで行って中絶する人や中絶のための金銭的余裕がなく、自力で中絶するといった危険を冒す人が出てきていることを踏まえ、中絶禁止について議論しました。これについては反対だとする意見が多く出ました。中絶を禁止したとしても産まれた後で捨てられてしまったり、育児放棄されてしまったりする子どもの発生を防ぐため、産むか産まないかを決める権利や機会を女性に付与すべきという意見や、女性の抱える育児に対する金銭的懸念をふまえ、産む/産まないを選択する機会としての中絶を女性の権利として認めるべきだとする意見が出ました。一方で、中絶禁止に対し賛成を示すような意見も挙がり、その理由として挙げられたのは、中絶の実際の映像を見た際の衝撃が忘れられず、一度始まった命を奪う行為である中絶に対し抵抗を感じるといったものでした。また、性的虐待によって妊娠した女性の産む/産まないを判断する権利を守るためには禁止すべきでないが、出生前診断で胎児の命を選別し、その結果を受け中絶するといったケースをなくすには、中絶を禁止するのが効果的だとする、中絶禁止について一部認めるような意見も出ました。


さらに、日本の中絶に関する現状に着目し、年間15万件、毎日400件もの中絶が実施されていることを受け、日本における中絶に対する規制の必要性についても議論しました。規制については皆、賛成の立場を示していました。性的虐待による妊娠の場合は中絶を規制しない方がよいとしつつも、胎児の命の重さを軽視しないようにするために規制が必要といった意見に加え、アメリカの、生まれた子供を養子に出す仕組みを比較のための例に挙げ、日本でもそのような、妊娠・出産する女性をサポートする仕組みを整える必要性を訴える生徒もいました。今回の議論を通じ、まずは中絶という、女性にとって身体的にも精神的にも負担になるような選択をせずに済む社会にするための教育や支援の提供が必要だと感じました。

 

 

ここから伊藤が担当します。


『グローバル社会における異文化のコミュニケーション』の第4章、第5章について話し合いました。


第4章は、非言語コミュニケーションについて書かれていました。


ゼミでは、沈黙について話しました。ゼミ生では沈黙が苦手という人が多かったです。
初対面や目上の人に沈黙されると「何を考えているのだろう」と思い、怖くなるという意見や、沈黙があると自分をじっと見られている感じがして嫌だという意見、食べている時に話しかけられないように相手の動きを見て行動するため、食事中が一番気を使うという意見が出ました。沈黙を苦手とする人でも自分がついていけない話題の時や、親しい人との会話では沈黙するという意見も出ました。
一方で、沈黙がある方が落ち着くという意見もありました。
沈黙が苦手な人は沈黙に慣れる必要があり、また、沈黙することが多い人は何かしらの方法で自分の言いたいことを相手に伝えようとすることが重要なのではないかと感じました。

第5章は、メディアでのコミュニケーションについて書かれていました。


現代ではスマホは手放せないものとなっていますが、スマホは本当に必要なのか、という話になりました。意外にも、ゼミ生ではスマホがある生活よりもない生活の方が良いという意見が多かったです。
スマホはない方が良いと考えている人は、スマホがあることで生じている忙しさを不快に思っているようでした。また、SNS上での顔が見えない会話で気を使いすぎることや、SNSに自分の生活を監視されているような状態を好まない学生からは、今の状況ではSNSをやめることができないが、そもそもスマホがなければSNSから離れることができるため、その方が良いという意見が出ました。
反対に、スマホはあるべきだと考える人は、SNSでのやり取りに気を使うことはあまりない、まずスマホをそこまで見ないと話していて、スマホと上手くかかわっているようでした。
スマホは便利な反面、時として私たちを苦しめるものだと思います。スマホと適度な距離感を保つことが必要なのだと改めて感じました。


今日もゼミでの議論を通して、様々な考えや価値観を学ぶことができました。
段々寒くなってきたので、体調にも気をつけましょう!