こんにちは!今週のブログは、大蔵と松元が担当します。

夏日が続き、徐々に夏らしい季節になってきましたね!Q1もあと少しとなってしまいました、、、

今回も充実したディスカッションとなったので、紹介したいと思います!

 

 前半は新聞記事に関して議論しました。1つ目は堤さんが選んでくれた「イタリアで女子大学生らがアジア人差別を起こした記事」について話し合いました。Eucephさん(妻)とアメリカ系中国人である旦那さん、そしてそのお母さんがミラノに向かう電車の途中で、イタリア人女性らから人種差別的な言動を受けました。Eucephさんは彼女らの言動を録画しSNSに投稿しました。その動画に対して、他のユーザーからそのイタリア人女性らの言動に対する批判が殺到し、中にはイタリアへの批判やイタリアへ行くことが怖くなってしまったというコメントも寄せられました。

 まずこのような相手に不快を与える人種差別的な言動が起きる原因について議論しました。議論で挙げられた意見として、子供の時から教育やメディアを通して人種に対しての固定概念や偏見を持ち、相手の本質を見ることなく外見や人種でその人を判断していることや、それに伴って相手の気持ちを考えていないこと等が挙げられました。また、人種差別的な偏見や意識を取り除くためにどのような対策をとることができるかという議論に関しては子供の時の教育に工夫をする必要があるのではないかという意見が多数挙げられました。例えば、学校のクラスに多様性を取り入れること、多様な国の人と関わる機会を設けることなど、直接的な関わりの中で子供の時から多様性社会への理解を深めておくことが重要であるということです。また、メディアや広告にも多様性を取り入れることで日常生活においても多様性に対して意識を向けることができるといった意見も挙げられました。この議論を通して、子供の時から多様性を理解することはもちろん、人種で判断するのではなく直接的な関わりの中でその人個人を理解することが重要だと改めて感じました。

 

 2つ目は鈴木さんが選んでくれた「寿司チェーン店での炎上事件の記事」について話し合いました。今年1月、寿司チェーン店スシローにて、ある少年がテーブルにあるしょうゆのボトルの先をなめたり、唾を付けた指でベルトコンベア上の寿司に触るといったビデオが拡散されて炎上しました。この事態を受けて、スシローは被害届を出しており、相次いだ寿司テロ事件を受けてスシローの株価は約16億円急落しました。

 この事件に対してスシローは少年に168億円の賠償責任を問いましたが、まずこの対応は妥当であるかについて議論しました。この議論に対して妥当であるという意見においては、その対応によって多くの人がその事件を認識し再発防止に繋がるという理由が挙げられました。一方で、妥当ではないという意見においては、その少年が高校生ということもあり、現実的にその額の賠償金を支払うことは難しいのではないかという理由が挙げられました。また、長期的な返済を通してその少年に確実に反省してもらえる措置をとることが良いのではないかという意見も挙げられました。また、炎上事件と同時に迷惑行為をした人やその周りの人へ多くの誹謗中傷が書き込まれてしまう原因の一つと考えられるSNSの匿名性について、SNSでの匿名の書き込みについて賛成か反対かを議論しました。この議論に対して賛成の意見としては、匿名だからこそ個人情報を開示するリスクがなく普段関わることのできない多くの人と関わることができるのではないかという理由が挙げられました。一方で反対の意見としては、匿名であることから無責任に特定の誰かを攻撃したり、デマを流して誰かを傷つけるような事態を防がなければならないという理由が挙げられました。この議論を通して、匿名性はリスクを回避して交友関係の輪を広げたり、マイノリティーの人々が意見を出しやすくなると言った良い側面がある一方で、匿名を悪用した無責任な行動が生じてしまうという悪い側面もあると思いました。情報化社会の現代において情報を発信する側も、情報を読み取る側もより責任を持ってSNSを使用する必要があると改めて感じました。

 

 

 授業の後半では、『池上彰の世界の見方/アメリカ』の第5章(「キリスト教」から見るアメリカ)について議論しました。テクストには、日本とアメリカの宗教観や多様性を示すデータとともに、日本とアメリカの宗教観の違いや教育や政治と宗教の結びつきについて記載されていました。

 

 最初は、日本とアメリカの宗教観や信仰心の違いについて話し合いました。多くのゼミ生は、日本での暮らしにおいては、宗教を意識することがなく、ある特定の宗教に属するという立場を理解することが難しいと感じていました。日本では、お葬式や七五三など、いくつか仏教系の行事がある一方で、キリスト教徒ではなくてもハロウィンやクリスマスを祝うし、結婚式はキリスト教式の場合がほとんどです。特に現代の日本人は、特定の宗教にこだわる人が少ないように思えます。とはいうものの、日本人の多くは年に何回かは神社に行ったり、不幸になると言われる行動は避けたりするなど、宗教を信じている面もあり、実は日本人は信仰心が強いのかもしれないという意見を共有してくれた人もいました。議論の中では、データを参考に話し合ってきましたが、個人によって「宗教を信じる」度合いや言葉の捉え方が違ったり、質問の仕方や言語によっても回答が左右されたりするため、国際的に同等のデータや正確なデータを得ることは難しいのかもしれません。

 

 次に、主に宗教と教育の結びつきについて考えました。アメリカでは、進化論を教えることの是非を巡り、裁判が行われるなど、キリスト教の考え方が教育現場にも影響を与えています。教科書や学校教育が日本とは異なるアメリカでは、学校側や親が宗教を理由に、子供の教育をコントロールできてしまう面があるようです。このことに対し、多くの学生は子どもに考えや価値観を強要するのは良くないと考えていました。しかし、未成年であるので親が決めるのは仕方がないことなのではないかと考えることもでき、難しい問題だと感じました。私たちは、進化論を学ぶ際もすんなりと受け入れることができるものの、特定の宗教を信じる人は偏った考えしか受け入れられない現状があるようです。アメリカでは同じ国の人であっても、属する宗教によって見ている世界が大きく異なっているように思えます。アメリカと比べると、日本は科学と宗教的な説明を結び付け、折り合いをつけていくことで多様な考え方との共存が可能になっているのかもしれません。特に、日本に住み、仏教に属しているにもかかわらず、キリスト教の学校である南山大学に通っている私たちの存在は、日本人の柔軟性が表れている良い例になるのではないでしょうか。

多様な考え方が共存し、互いを尊重し合って暮らしていける社会になってほしいと思います。

 

今週も新聞やテキストを通して、様々な考え方を学ぶことができて楽しかったです!

最近暑くなってきて大変ですが、健康第一で、息抜きもしながら頑張っていきましょう!!!