こんにちは!今回のブログは藤畝と今井が担当します。

みなさん、GWは有意義に過ごせましたか?今回はGW明けで二週間ぶりのゼミでした。今回も多様な意見が飛び交い、興味深い議論になったので紹介します。

 

はじめに藤畝が英語ニュースを担当します。

一つ目の記事は、現在アイルランドにはウクライナ侵攻により多くの移民が滞在しており、さらに政府が移民のための宿泊施設を建設しようとしていることから、移民の増加に反発する声が上がっているという内容でした。ここで私たちは、アイルランド政府は自国民への支援と移民への支援のどちらを優先するべきであるかと、自国で提供できる移民の手当が限界を超えたからという理由で、移民を自国に来させないために塀や壁を建設することに対する賛否について議論しました。まず前者について、アイルランドはEUに加盟しているため、移民を受け入れる責任があるという意見に対し、自国の経済基盤を整えてから移民を受け入れるべきであるという意見や、国は第一に国民の権利を守るべきであるという意見がありました。次に後者について、こちらも意見が分かれ、移民が国境付近にスラム街をつくる可能性があり、それを防ぐために建設するべきであるという意見に対し、まず膨大な費用がかかることや建設時の騒音、他国から批判されること、また、戦争から逃れてきた移民の心をさらに追い込むことになることから、建設に反対する声も多数ありました。この議論を通して、国が国民を守るという責任と、世界の一国であるアイルランドとして世界のために果たすべき責任について考えることができました。

 

二つ目の記事は、中国のアプリであるTikTokに対して、多くの西洋諸国は利用者の個人情報が中国政府に流出する可能性を懸念して対策を取り、アメリカではアプリの使用を禁止する動きが広がっているという内容でした。私たちは、日本における対策の必要性と自身がソーシャルメディアを使う際に気を付けていること、子どもがソーシャルメディアを使うとなったとき、使用を制限するかについて議論しました。日本でも対策を取ることについては賛成の意見が多く、位置情報や個人情報が守られるような対策が必要であるという意見や、まだ個人情報の扱いが難しい小学生以下の子どもに使用を制限するべきという意見、制限をすることは難しいものの、子どもたちに情報リテラシーを学ぶ機会を与える必要があるという意見がありました。次に、私たち自身が気を付けていることについて、ソーシャルメディアに個人情報を載せないことやアカウントを非公開にすること、知らない送り主からのメールは開かないということが挙げられました。また、子どもに対する制限については、ソーシャルメディアはコミュニケーション方法の一つであるため、子どもに使用の制限はしたくないが、犯罪の危険性が高いサイトにはアクセスできないようにする、ソーシャルメディアの危険性を伝えたうえで使用させるという意見がありました。この議論を通して、ソーシャルメディアの危険性を再確認し、国家間の関係が政治に及ぼす影響についても考えることができました。

 

後半は「これからの『正義』の話をしよう」の第4章を担当する今井です。今回は主に兵役と代理出産について議論しました。

まず、兵役について私たちは話し合いました。志願制、完全な徴兵制、身代わりが可能な徴兵制の3つのパターンの内、どれが最善の選択と言えるのかを考えました。多くの学生は志願制が最も良いと考えました。しかし、実際に志願制度で十分な人数が集められるのかという疑問が生まれました。そしてその問題を解決するため、他二つのパターンであればどちらがふさわしいのかを話し合ったところ、クラス全体が完全懲役制度賛成派と身代わり可能な懲役制賛成派とに別れました。完全懲役制では、身代わり可能な徴兵制では影響する貧富の格差が影響せず、より人々を平等に扱っていると主張し、身代わり可能な徴兵制はより人々に自由を与えていると主張しました。

代理出産についての議論でも意見が分かれました。代理出産肯定側は当事者が納得するような形であれば、その自由は保障されるべきだと主張しました。一方で、反対側は、出産とはなにか?を数字等の情報だけで理解することは難しく、代理出産を行う代理母にとって不利益な交渉が行われると主張しました。また、代理出産には様々な問題があり、生まれてきた子供が望んだ人の希望に合わなかった場合にどうするのか?や、妊娠中に母子共に危険な場合はどう判断するのか?という問題があり、事前におこなう契約で、それらの状況すべてに適応できないため代理出産に反対だという意見も出ました。加えて、生まれてくる子供を商品のように扱うこと自体が道徳に反するというように、様々な意見が出されたところで授業が終了してしまいました。

 

授業を重ねるごとに、様々な場合を想定した意見が出されるようになり、少しずつ議論が洗練されてきましたね。今期は残り2回の授業となりましたが、これからの授業も楽しんでいきましょう。