夕食を食べながら、ガタガタと左半身を小刻みに揺らしている父。
久しぶりにドキッとした。
あ!と思って瞬間的に動揺したものの、直ぐに観察。
視線は上転していない。
身体は硬直してない。
咀嚼は継続している。
そして食事前からの多弁。
これは熱があるのでは?
当然ながら父からは食事前の体調不良の訴えはなく、箸を持たせた時の、父の身体に熱感もなかったが…
普段の様に落ち着いて食事をすることは出来ず、少し残して食事を終了。
内服薬も上手く食事中に済ませる事が出来た。
いつもならしっかり磨く歯磨きも、入歯を外し、歯間ブラシで簡単に済ませ、とにかく父を早くベッドに。
あの左半身の震えが癲癇ではないとしたら、熱性けいれん?
だとしたら熱があるはず。
食事前の熱感はなかったが、体温の急上昇が起きているとしたら、次は直ぐにぐったりし始める。
私一人でベッドへ移乗させるとなると、父がぐったりし始める前に!
そう思って、父をベッドに寝かせて、早速検温。
はい、38.4℃。
梅雨明けしたばかりで部屋も暑いからと思って冷房していたのだけれど、父はしっかり布団をかぶっている。
寒い?と聞くとうんと言う。
悪寒在りというやつです。
これは熱が上がってくるぞ…
私は一旦冷房を止めて、その日の摂取水分をチェック。
いつもより少し少ないか…
ならばと、とろみをつけた冷たいお茶を父に飲ませた。
そして父は就寝。
2時間して様子を看たが、父は熟睡している。
でも呼吸は早い。
熱も依然高く、検温では38.5℃。
検温すればやはり父を少し起こしてしまった。
解熱剤、なかったっけ?と思って探したけれど、生憎、先日整理して処分したところだった。
この熱、一体なんだろう…
誤嚥性肺炎にしては急上昇過ぎる…
もしやまさかのこれコロナ?
この熱がもしも本当にコロナだったら、間質性肺炎持ちの父は朝には死んでるかも知れないよ…
そんなことが頭をよぎったが、取りあえず冷やす?いやいや、待て待て、今は眠っている本人を起こす訳にはいかず、布団をまだしっかりかぶっている様子を見て、ここは冷やさず朝まで過ごすか…
これが幼き我が子なら、母として眠らず看病するところだけど、ごめんね、私、母でなければ伴侶でもなく、私貴方の娘なの。
明日の予定もがっつりあるし、眠らない訳にはいかなくて。
だから自分の就寝前にもう一度様子を看て、呼吸が穏やかになっているのを確認したから取りあえず就寝。
因みに翌朝の最低気温をチェックして、冷房無しにするわけにはいかず、室温緩めにして冷房を掛けた。
翌朝は起床してすぐに父の元へ。
良かった!
取りあえず生きてる!
そして検温。
まずい。
39.2℃。
そして呼吸は荒く、痰がゴロゴロゼイゼイ。
その様子、父はとても苦しそう。
今すぐ医療的処置と吸引が必要。
早くしないと、これコロナだったら下手したら本当に死んでしまう!
父がコロナだったらこの先どうなるんだろう…一瞬だけど、私はそう思わずにはいられなかった。
つづく